研究課題/領域番号 |
19K00160
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
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研究機関 | 国際基督教大学 |
研究代表者 |
GILLAN Matthew 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (50468550)
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研究分担者 |
大内 典 宮城学院女子大学, 教育学部, 教授 (50213632)
遠藤 美奈 沖縄県立芸術大学, 音楽学部, 准教授 (80772780)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 仏教音楽 / 讃仏歌 / 声明 / 尺八 / 普化宗 / 仏教唱歌 / 仏教讃歌 / 仏教 / 岩井智海 / 館山漸之進 / 音楽 / 日本 / 越境 / 近代仏教 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、北米圏の仏教における音楽活動および日本国内での仏教近代化における音楽の扱いに焦点をあて、近代の仏教音楽と国際社会との相互影響関係を探るものである。具体的には、北米における尺八音楽、ハワイの日系仏教寺院の讃仏歌、そして近代仏教での声明を扱う。これら楽種が西洋社会の音楽・宗教の諸概念にどう影響したか、あるいは逆方向の影響がいかに生じたか、さらにそれら国外の動向が日本の音楽・宗教文化にどう作用したのか。ここから、日本の音楽・宗教研究に、分野や宗派を超えた新たなパラダイムを立て、「宗教」と「音楽」がもつ柔軟で創造的な性格を、そこに孕まれる危うさとともに探る。
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研究実績の概要 |
ギランは、『浄土教報』、『明教新誌』など、明治時代の仏教新聞を中心に、明治時代の仏教諸宗派の「仏教音楽」の概念を調べた。これらの調査は「東洋音楽研究」、「一音成仏」に論文として公開した。また、明治・大正時代の新聞や雑誌をもとに、同時代の「花まつり」における女性と音楽の関係を調べた。この調査は2023年1月に行ったシンポジウムで発表した。 研究分担者である大内は、昨年度取り組んだ、近代の声明の展開における邦楽調査掛、とくに平曲家館山漸之進(1845-1916)に関する研究を、当時の文化・社会政治情勢に位置づけて進展させた。館山の『平家音楽史』刊行に多大な助力をした大隈重信の人脈、平曲界における福地桜痴との関係などから、声明が「音楽」として再発見された背景にあった人的ネットワークを探り出した。さらに、『音楽雑誌』の分析から、明治期の音楽界の仏教音楽に対する関心を探った。 研究分担者である遠藤は、ハワイにおける英語讃仏歌について、曹洞宗、浄土宗、東本願寺、本派本願寺の各寺社で追補現地調査を行なった。また、当時ハワイでは、女性が讃仏歌の創作や教育に参与していた点を鑑み、ドロシー・ハント(Dorothy Hunt1886-1983)らを中心に近親者から聞き取り調査を行なった。同調査内容は、2023年1月のシンポジウムで発表を行った。加えて2023年3月にはラウンドテーブルにて「仏教と音(声)」をめぐって関連する研究者とラウンドテーブルを行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では、2019年から関連する研究者を招聘して研究会を開催し、そこから得られた知見を加えながら、各自論文の投稿・執筆に取り組んだ。また、研究成果を広めるために2021年には国際シンポジウム『越境する日本の仏教音楽』と題して、アメリカから2名の研究者と天台宗と浄土真宗の僧侶2名を招聘して実施した。2022年は、シンポジウム等での研究発表・投稿論文等をもとにして、論文集の編集に取り掛かっている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、補足調査等をふまえ、上記の論文集の出版を目指している。2023年9月には、出版社(Routledge)に提出予定である。
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