研究課題/領域番号 |
19K00251
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
谷 正人 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (20449622)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
|
キーワード | イラン伝統音楽 / 即興演奏 / 民族音楽学 / イラン音楽 / コミュニケーション |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題「文化環境との関わりからみた即興演奏技能の発達―イラン音楽を事例として」は、イラン伝統音楽を対象として、演奏家コミュニティという集団的環境のなかで、個々人は即興演奏の技能をどのように発達させているのか――「集団が持つ多層的な社会的・文化的秩序」の網の目の中で、一個人がどのように他者との相互行為によって、即興演奏というコミュニケーション形態を発達させているのかを探るものである。
|
研究成果の概要 |
2019年8月から2020年1月まで、および2023年8月から9月までイランに滞在し、フィールドワークを行い研究計画書で言及されているタグのうち「言語リズム」「古典詩の世界観」「音組織」「楽器固有の身体性」「口頭性」について、個人的インタヴュー及びレッスンを重ねることで以下の知見に結びついた。1.古典詩の韻律と音楽のリズムとの関連性 2.音楽創作においての規範と逸脱について具体的事例およびその背景にある美学の抽出 3.楽器固有の奏法や語彙が即興演奏の中で如何に意味を持つものなのかについての知見 4.イラン音楽の口頭性に基づいた世界観の中では、旋法間の移動や横断には大きな自由度があること
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの常に作曲との対比の中で「自然にまかせた衝動」「計画性の欠如」「予測不可能性」などといったイメージでとらえられる傾向が強かった即興演奏という行為について、あらゆる即興行為は100パーセント自由なわけではなく、何らかのかたちで文化習慣などに深く規定されていることを明らかにしたこと。また更に即興演奏は、個人の特性のみで行われるだけではなく、即興演奏を行う集団からの影響も適宜受けつつ実際には存在しており、その意味において即興演奏は、様々な環境的・文化的要因からの影響も考慮しつつ考察を進めてゆくべき対象であることを確認できたこと。およびそれらの成果を英語と日本語の2冊の書籍として出版したこと。
|