研究課題/領域番号 |
19K00327
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 北九州市立大学 |
研究代表者 |
渡瀬 淳子 北九州市立大学, 文学部, 教授 (90708637)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 大名文庫 / 小笠原家 / 笠家文庫印 / 老木拙萼集 / 蔵書印 / 蔵書構築 / 日本古典文学 / 小倉藩 |
研究開始時の研究の概要 |
現在ではほぼ礼法や武家故実の書物しか残されていない小笠原藩主の蔵書が、かつてはどのような姿をしていたのか、小笠原氏の領国であった小倉と豊津の二箇所に残された書物を中心に、日本各地に残る小笠原氏の旧蔵書を蔵書印を手がかりに追いかけ、その姿を復元的に追求する研究である。 この研究を通して、大名の教養として受け継がれた中世以来の教養がどのようなものだったのかについても解明を目指している。
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研究成果の概要 |
現在残されている小笠原家の蔵書は、系図・家譜などの家の由緒に関わるものと、武家故実・礼法などの家の学問に関するものの二種類に大別できる。しかし、記録の中には、当主の代替わりに際して徳川将軍家へ『古今集』を献上したことが見えるので、文学の本も含めた大部のコレクションがあったと想定した。そしてかつての蔵書を探すのに蔵書印が手がかりになるのではと考え調査を行った。結果、小笠原家には物語や歌書、俳諧書などの文学書、能・狂言、漢籍のコレクションがあったことが判明した。また、蔵書印はよく似た二種類の印があり、使用された時代に違いがありそうだということも分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
江戸時代の大名が多くの書物を収集していたことは知られているが、それらの蔵書の多くは明治維新後、旧大名家の経済状況が悪化する中で売却され失われてしまった。これらの蔵書のうち、現存するものは蔵書印を頼りにその内容をある程度復元できることが分かったことは、蔵書印の重要性を裏付けるものでもある。また、小笠原家の蔵書印は使用時期によって二種類あることも分かり、江戸後期から明治にかけて押されたものである可能性が高い。このことからは、蔵書印によって藩主のコレクションを管理するようになったのが他藩に比べても遅かったことが分かる。今回の研究成果は蔵書印の文化についても新たな問題を提起することになると思われる。
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