研究課題/領域番号 |
19K00523
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02050:文学一般関連
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
呉 世宗 琉球大学, 人文社会学部, 教授 (90588237)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 1965年 / 在日朝鮮人文学 / 沖縄文学 / 東アジア / 日韓条約 / ベトナム戦争 |
研究開始時の研究の概要 |
1965年は、日韓条約の締結によって東アジアに新たな政治的文化的空間が生まれ、沖縄がベトナム戦争のための拠点となり、日韓関係の再定義は在日朝鮮人たちの抵抗運動と日本定住化を生み、そして沖縄の復帰運動は反戦反米、そして第三世界との連帯を方針とすることになる。以上の背景のもと、本研究は「1965年」「東アジア」という文脈のなかで沖縄文学と在日朝鮮人文学を「離脱と帰属」という観点から問い直すものである。
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研究成果の概要 |
本研究は、「1965年」「離脱と帰属」「東アジア」という観点から、在日朝鮮人文学と沖縄文学の比較検討を目的とした。両文学に共通することとして、第一に、日韓条約の締結によって東アジアに新たな政治的文化的空間が生まれ、第二に、この条約の締結によって日韓米の新たな軍事的体制が編成され、それへの抵抗が在日朝鮮人および1960年からはじまる沖縄で生まれていたことがある。そのようななか沖縄文学は米国による実質的な信託統治を対象化し「日本」を問い、在日朝鮮人文学は日本へ定住化と南北朝鮮からの離脱をテーマとしていた。そして両文学とも「離脱と帰属」をテーマとしつつ、結果的に「東アジア」という空間を構想していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
在日朝鮮人文学および沖縄文学を「1965年」「東アジア」「離脱と帰属」という観点から論じる本研究は、両文学を共通の舞台に置くことで、その重なりと差異を可視化させる。それによりこれまで個別に論じられてきた沖縄文学と在日朝鮮人文学を接続し、東アジアを構想しようとしてきたかを呈示したところに学術的意義と独創性がある。加えて従来の60年代論は1968年を中心的な出来事として論じてきたが、沖縄と在日朝鮮人たちの文学的抵抗を生み出した1965年に注目することは、この地域に生じた独自の政治的文化的空間の意味を明らかにし、60年代論を東アジアという観点から刷新する可能性を拓く。
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