研究課題/領域番号 |
19K00610
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
大岩本 幸次 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 教授 (10336795)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 漢西字典 / 清代漢語 / 字典 / 音韻 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の概要は以下の通り。 (1)清代にフランシスコ会のミゲル・ロカ(1661-1757)が編纂した漢語語彙集『漢西字典』について、語彙や音韻などの面に着目して内容の詳細な検討を行い、当時の一種の共通語である“官話”について言語状況の一端を明らかにする。 (2)上述『漢西字典』について、趙廷俊という人物によって康煕52(1713)年に成立した漢語字書『漢字西譯』との内容の細かな比較を行い、『漢西字典』が編纂に際して先行資料からいかなる影響を受けたかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究は、清代に編纂された漢語字典Diccionario chino-espanol(以下『漢西字典』)を精査し、この資料に反映される編纂当時の言語状況や、先行する字書資料からの影響といった問題について明らかにしようとするものである。 研究期間全体を通じて、『漢西字典』と密接な内容的関連を有するSinicorum Characterum Europea Exposito(康煕52(1713)年/以下『漢字西譯』)を補助資料として用いながら、『漢西字典』語彙の表記や語義を特定する作業を進めた。また、『漢西字典』に示される音体系についても概要を把握した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
明末以降に宣教師たちが残した語彙集や文法書については、全体になお開拓を要する段階にとどまり、『漢西字典』に関しても、宣教師の業績を紹介する書籍目録など以外ではあまり注目されてきていない。近年、宣教師資料を用いた漢語史関連の研究が盛んになってきているなかで、こうした未開拓資料について、編纂過程や字典としての独自性の一端を明らかにし、また清代官話の特に語彙や音韻について検討することで、従来の研究にいくばくかの厚みを加えることができ、近世漢語史研究の進展に資する側面も有している.
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