研究課題/領域番号 |
19K00612
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
北原 久嗣 慶應義塾大学, 言語文化研究所(三田), 教授 (50301495)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 生成文法理論 / 日英語比較統辞論 / 極小モデル / 併合操作 / 作業空間 / 演算効率 / 過剰生成 / 併合 / 統辞構造 / 生成手続き |
研究開始時の研究の概要 |
20世紀後半,言語研究に飛躍的な革新をもたらした生成文法理論では,人には生まれながらにして言語の仕組みが具わっており,言語獲得はこの仕組みに依存することで初めて可能になると考える。しかしながら,この人という種に固有の言語の仕組みは,言語間に現れる多様性の問題に直面する。本研究は,この問題意識のもと,類型論的に異なる日本語と英語(以下,日英語)の統辞構造の比較研究を推進する。具体的には,生成文法理論の枠組みのもと、日英語の統辞構造の背後に仮定されてきた併合操作の手続きを見直し,その手続きを厳しく制約する一般法則との関係から,日英語に観察される統辞構造の多様性を導き出すことを試みる。
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研究成果の概要 |
本研究は,併合を作業空間に適用する操作として捉え直し,一般原理との相互作用から併合の適用方法を導き出す分析を検討するなか,日英語に観察される統辞構造の多様性が厳密に制限された範囲内に留まることを明らかにした。続けて,極小モデルが言及する演算効率に関する一般法則に光をあて,併合の最適な手続きを一般法則から演繹的に導き出す分析を提出した。ここで得られた知見は,併合の自由適用が過剰生成の問題をどのように克服しているかを示している。本研究で明らかになった作業空間における要素の保存および増加を制御する一般原理の緊張関係は,今後の生成文法理論の展開においてその重要性が増してくるであろう。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
20世紀後半,言語研究に飛躍的な革新をもたらした生成文法理論では,人には生まれながらにして言語の仕組みが具わっており,言語獲得はこの仕組みに依存することで初めて可能になると考える。この問題意識のもと,本研究では,類型論的に異なる日英語の統辞構造の多様性を,語彙項目の特性,併合の定式化と適用手続き,その手続きを厳しく制約する一般法則,という三つの要因とその相互作用から演繹的に説明することを試みた。その取り組みは,普遍的な言語の仕組み(普遍文法)から多様な言語の現れ(個別文法)を導出することに他ならず,その成果は生成文法理論の今後の展開に大きな影響を与えるものであろう。
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