研究課題/領域番号 |
19K00658
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02080:英語学関連
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
田中 秀毅 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (50341186)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 部分構造 / 部分関係 / タイプ・トークン / 酢量詞遊離文 / 数量詞遊離文 / 部分解釈 / 比率 / 概数詞 / とりたて助詞 / タイプ・トークンの関係 / タイプ化 / カテゴリー / 修辞疑問 / A out of B / 部分構造制約 / 部分・全体の関係 / グループ・メンバー / 割合 / 定性 / 割合と比率 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、「部分構造」(A of B形式)と、類似の意味を表す句形式や節形式を対照言語学的に考察し、個別の形式の統語的・意味的特徴を記述するとともに、形式間の共通性や代用の可能性について検証する。具体的には、ofの後ろの名詞句が定でなくても容認される部分構造(部分構造制約を免れるもの)、there存在文の意味上の主語に生じることが許される部分構造(定性条件を免れるもの)、先行詞と遊離数量詞の組み合わせによって通常とは異なる部分・全体の関係を表す数量詞遊離文などに注目し、類似の意味を表すほかの形式と比較することによって、部分関係の成立条件(構成要素の組み合わせや生起環境など)を解明する。
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研究成果の概要 |
本研究は、英語と日本語の「部分構造」(A of B)と、それと類似する意味を表すほかの形式の関係性に注目し、以下の成果を得た。①ofの後ろの名詞句が不定でも容認される部分構造はA out of B形式と並行的に割合を表す。②タイプ・トークンの関係を表すone of themが他者の主観的な評価を含んだ名詞(たとえば、a cute cat)を先行詞とする場合、主観性が捨象されたタイプ(たとえば、猫の品種)を指すことができる。③日本語の数量詞遊離文は割合の解釈を表す場合がある。割合解釈は母集合とその部分集合との対照によって成立するため、通常であれば生じる数のミスマッチが回避される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの研究では、英語と日本語において表される部分関係は主に部分構造と数量詞遊離文によるものが取り上げられてきた。それぞれの構文は個別に扱われることが多く、構文間の意味的な類似点や相違点に注目されることはほとんどなかった。本研究は、英語の部分構造(A of B)、A out of B, one of them,日本語のAノウチノB形式や数量詞遊離文を取り上げ、それぞれの形式によって表されうる部分関係の類似点と相違点を明らかにした。構文間の関係が明確になったことにより、個別に分析することでは解明できなかった各構文の特徴が明らかになった。
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