研究課題/領域番号 |
19K00671
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02080:英語学関連
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研究機関 | 名古屋学院大学 |
研究代表者 |
赤楚 治之 名古屋学院大学, 外国語学部, 教授 (40212401)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 生成文法 / 証拠性マーカー / アスペクト表現 / 伝聞の補文標識 / ている / 主格属格交替 / 認知言語学 / CP領域 / カートグラフィ / 証拠性表現 / 属格主語 / が・の交替 / high adverbs/adverbials / 数量詞遊離構文 / 容認可能性 / 証拠性 / 日英語比較統語論 / カートグラフィー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、「証拠性」と統語構造の関連性を洗い出し、その結果を生成文法の日英語比較統語論の観点から分析することを主目的とする。英語、日本語では、証拠性は、意味論・語用論からのアプローチが主流であり、統語構造との関係については十分な研究がなされていない。談話と命題との繋がりに研究に光を当ててきた生成文法のカートグラフィー研究、並びに証拠性構文と呼ばれる一連の構文パターンを足掛かりとして、証拠性に関与する統語構造の特性を解明することになる。さらに、認知言語学が明らかにしてきた事態把握と証拠性の関係を調査することで、事態把握と統語構造との結びつきを見ることになる。
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研究成果の概要 |
世界の言語には、情報の出処を示す表現(証拠性マーカー)を豊かに持つ言語とそうでない言語がある。日本語は英語とともに、後者のグループとみなされている。今回の研究では、日本語において、一見証拠性マーカーには見えない要素が文に付加されることで、文の正否に影響があることを示した。たとえば、物事が進行中であることを表すアスペクト表現の「ている」は、話者が眼前で起きている事実を伝えることをも表現している一種の証拠性マーカーとなりえるが、それにより、文や句の成立に影響を及ぼすことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義としては、①証拠性が統語構造に影響する日本語の現象の観察、②生成文法と認知・構文文法との共闘の可能性と重要性の提案、の2点が挙げられる。日本語における、事態把握の伝え方が統語構造に影響を与えることが明らかになった。社会的意義としては、文脈依存度の低い英語と高い日本語の違いが証拠性という点からも言えることが明らかになったことである。証拠性を示す表現形態は言語によって異なるが、日本語は証拠性の形態的表現に関しては決して豊かな言語ではなく、英語と同様に直接的な表現方法で示すのがデフォルトであるが、表面的には証拠性とは無関係に見える文法操作がそのような表現を代替していることがわかってきた。
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