研究課題/領域番号 |
19K00958
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 沖縄県立芸術大学 |
研究代表者 |
山田 浩世 沖縄県立芸術大学, 音楽学部, 准教授 (00626046)
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研究分担者 |
高江洲 昌哉 神奈川大学, 国際日本学部, 非常勤講師 (10449366)
畑山 周平 東京大学, 史料編纂所, 助教 (30710503)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 身分制 / 琉球 / 奄美 / 境界領域 / 家譜 / 鹿児島 / 薩摩 |
研究開始時の研究の概要 |
中国と日本の支配秩序がせめぎ合う鹿児島・奄美および沖縄の島々をフィールドに、日本の近世社会を特徴付ける身分制を『家譜』との関係から検証し、どのような身分実態が境界領域において表出していたのかを明らかにするものである。検討に際し身分を裏付ける『家譜』の編纂過程を記憶・系譜の選択という観点から検証し、地域毎の論理を解明し比較する。さらにそれら近世日本または琉球における身分実態の特徴を非身分制社会であった他の東アジア諸国との関係からも捉え、境界における身分のありようを明らかにすることを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究は、系持ちと無系という公的に編纂された『家譜』の所持を基準とする琉球における身分制の形成(中世から近世)、変容(近世)、解体と継承(近世から近代)にかかる問題が、日本・中国の境界領域である琉球社会の特質を踏まえて検討することを目的としている。 研究対象地域において身分制を象徴するものとして各家の記録を編纂した『家譜』が存在している。『家譜』は自らの一族の出自や功績、社会との関係性を表明するものであるとともに、そのことから社会的な身分をそれぞれの時代・地域でどのように捉えていたのかを明瞭に示す材料となっている。このような『家譜』の特徴を踏まえながら、人びとが行き交い、また社会のあり方が他地域から大きく影響を受けていた境界領域間でどのような身分制への思考やあり方が展開したのかについて、昨年度までに引き続き着目した。 2022年度は、昨年度までの蓄積をもとに、鹿児島・奄美・沖縄間の近世期における「家譜」編纂と由緒の選択的成立の問題が、奄美地域での家譜に特徴的に現れているとの仮説を念頭に、より広範な奄美諸島の家譜の特徴などを、史料の実見調査などを進め検討した。予定していた調査が新型コロナウイルス感染症の流行によって十分に実施できない状況が続いたが、沖永良部調査での集中調査により、概ねの奄美諸島における家譜形式の種類を把握することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
薩摩・奄美・琉球間における身分制の選択的状況を精査するという目標に対し、新型コロナウイルス感染症の流行により当初計画は変更を余儀なくされたが、3地域の特徴を捉える上で奄美諸島における家譜の比較が有効であることが研究期間の前半における調査で明らかとなり、調査地域を絞りながらも境界領域が持つ身分表象の選択的状況を確認することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
この間の調査では具体的な史料類の閲覧、検討を中心としてきたため、これまでに得た知見をもとにしながら、成果を体系化する必要がある。そのため、①琉球・鹿児島における中世から近世にかけての状況の整理、および②近世から近代にかけての身分制の変容と残存の状況についてまとめていく必要がある。
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