研究課題/領域番号 |
19K01036
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
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研究機関 | 盛岡大学 |
研究代表者 |
佐藤 貴保 盛岡大学, 文学部, 教授 (40403026)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 西夏 / 地方行政 / 経略 / 監軍司 / カラホト / 地方支配 / タングート / 出土文書 / 河西回廊 / 敦煌 / 経略使 / 地方官制 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、西夏王国が地方に設置した経略使や監軍司とよばれる官庁がどのような職務を遂行していたかを西夏語で書かれた文献を解読し、西夏王国の朝廷が地方をどのように治めようとしていたかを解明するものである。 本研究課題を遂行する方法として、まず西夏の法令集にある経略使や監軍司が関係する条文を解読することにより、各官庁が法令上どのような職務を遂行することになっていたか明らかにする。続いて、両官庁が法令集にあるような職務を実際に遂行していたか検証するために、経略使や監軍司が関係する官文書を解読する。解読の対象となる西夏語の文献はロシアの研究所が所蔵しているため、ロシアでの実見調査を実施する。
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研究成果の概要 |
本研究課題は、西夏王国の西夏語で書かれた行政文書や法令のなかから、西夏王国の地方官庁に関わる記述を抽出、解読し、地方官庁がどのような業務を行っていたのか、西夏が地方をどのように支配しようとしていたのかを目的とした。西夏は地方を十数の地区に分け、それぞれに監軍司とよばれる官庁を置き、さらに複数の「経略」とよばれる官庁を設置していた。行政文書や法令の条文を解読したところ、経略は近隣の複数の監軍司から中央政府へ出された軍官の人事に関する報告や問い合わせを取り次ぎ、それに対する中央政府からの指示を各地の監軍司に伝達しており、経略が中央と地方の監軍司とを結ぶ部署として機能していたことが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
西夏王国が地方を支配するにあたり、征服した地域の在地の有力者を監軍司の幹部に任命していたことは、既存の文献資料や、当研究代表者が石窟寺院の供養人壁画や題記によって明らかにしていたが、本研究によって、西夏の中央政府も「経略」を設置し、官員の人選に関与していたことが新たに判明し、西夏の地方支配を地方分権的に行っていたとは必ずしもなく、中央政府が一定程度の影響力を持っていたことが確認された。本研究課題の成果は、同時代の東アジア・中央ユーラシア諸国家ないしは西夏の後に大帝国を築いたモンゴル帝国の統治体制の研究にも裨益するものとなった。
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