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フランス・アンジュー地方から見た百年戦争終結についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K01071
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
研究機関秋田大学

研究代表者

佐藤 猛  秋田大学, 教育文化学部, 准教授 (30512769)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
研究課題ステータス 完了 (2023年度)
配分額 *注記
1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
キーワード百年戦争 / 諸侯 / トゥール休戦協定 / アンジュー公 / シャルル7世 / ルネ / 当事者 / フランス王 / 年代記 / イングランド王 / アンジュ―公家 / ヘンリー6世 / フランス王国 / アンジュ― / シャルル7世 / オルレアン公シャルル / アンジュー公ルネ / ヘンリー6世 / グロスター公ハンフリ― / アンジュー / ルネ・ダンジュー
研究開始時の研究の概要

英仏の歴史に多大な影響を及ぼした百年戦争はなぜ長期化したのか。この問題は従来、英大陸所領の存在や仏王位継承など、戦争の原因解明を通じて考察されてきた。これに対し、戦争終盤において、平和条約が締結されないまま、なぜ戦闘のみが停止したのかは問われることない。終戦のプロセスについては未解明な点が多い。
本研究では、戦場となったフランス諸地方を治めた諸侯達が、平和交渉を含む戦争終盤の展開にどのような利害を持ち、いかに関与したのかの検討を通じて、終戦メカニズムを解明する。この研究は、百年戦争の終息過程を、英仏王家の二項対立を超えて諸侯層を含めた多面的な対立構造の観点から捉える可能性を開くものである。

研究成果の概要

一般的には、百年戦争は平和条約が締結されないまま、1453年に終結したとされる。この通説について、フランス諸侯の地方的利害という観点から再検討し、1444年のトゥール休戦協定について次の二つの点を明らかにした。①諸侯はイングランド使節の出迎え、会合の設定、和平交渉に至るまで、休戦協定の締結過程に直接関わった。②休戦協定の条文においては、(A)王と並ぶ休戦の当事者として諸侯のタイトルが明記され、(B)英占領地に位置する諸侯領の保護について補償された。戦争終盤においては、諸侯の多様な利害が和平交渉や実際に誓約された休戦協定に入り込み、そのことが最終的な和平締結を難しくしたとの展望を得た。

研究成果の学術的意義や社会的意義

1453年における百年戦争の終結に関しては、学術的には、なぜ平和条約が結ばれないまま、英仏間の戦闘が終息したのかに関して未解明な点が多い。これに対して、本研究では主戦場となったフランスの諸侯が有した多様な地方的利害が和平交渉に入り込み、そのことが平和条約の締結を難しくしたとの展望を示した。一般的には、特に高校世界史においては、百年戦争に終止符が打たれた理由として、ジャンヌ=ダルクの登場やばら戦争など偶発的な出来事が重視されることが多い。これに対して、本研究は百年戦争がいかに終結し、近代を迎えたかという西洋近代の始まりについて、一般的な歴史像の修正に寄与するものでもある。

報告書

(6件)
  • 2023 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 2019 実施状況報告書
  • 研究成果

    (13件)

すべて 2024 2023 2022 2021 2020 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件) 図書 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 百年戦争勃発と北フランス都市防備の主導権争いーノワイヨン市壁修理訴訟の蒸し返しを事例にー2021

    • 著者名/発表者名
      佐藤猛
    • 雑誌名

      日仏歴史学会会報

      巻: 36 ページ: 3-20

    • NAID

      40022658357

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 中世後期アンジュー公国におけるルネ・ダンジューの奉仕者集団 ~ボーヴォー家~(2)2020

    • 著者名/発表者名
      佐藤 猛
    • 雑誌名

      秋田大学教育文化学部研究紀要 人文科学・社会科学

      巻: 75 ページ: 45-54

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 1444年トゥール休戦協定の成立過程とフランス諸侯2020

    • 著者名/発表者名
      佐藤 猛
    • 雑誌名

      関西大学西洋史論叢

      巻: 22

    • NAID

      40022390803

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] トゥール休戦協定と百年戦争の当事者認識2024

    • 著者名/発表者名
      佐藤猛
    • 学会等名
      中世フランス国家史研究会(第4回)
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 百年戦争は誰のための戦いだったのか ~和平関連文書における当事者表記~2021

    • 著者名/発表者名
      佐藤猛
    • 学会等名
      中世ルネサンス研究所第31回研究会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 合評会 上山益己『中世盛期北フランスの諸侯権力』大阪大学出版会、2021年2021

    • 著者名/発表者名
      佐藤猛
    • 学会等名
      関西中世史研究会12月例会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 百年戦争勃発と北フランスにおける都市掌握―ノワイヨンの市壁修理問題から―2020

    • 著者名/発表者名
      佐藤猛
    • 学会等名
      フランス史研究会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 14世紀フランスにおける訴訟と嘆願~百年戦争開戦時のノワイヨン城壁をめぐる紛争から~2020

    • 著者名/発表者名
      佐藤猛
    • 学会等名
      中世フランス国家史研究会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [図書] 行き交い、集う人々ー感染症×文系力ー2023

    • 著者名/発表者名
      佐藤猛, 佐々木千佳, 羽田 朝子, 長谷川章
    • 総ページ数
      175
    • 出版者
      秋田文化出版
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [図書] ペストの古今東西: 感染の恐怖、終息への祈り2022

    • 著者名/発表者名
      佐藤 猛・佐々木 千佳
    • 総ページ数
      183
    • 出版者
      秋田文化出版
    • ISBN
      4870226057
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 『侠の歴史』(西洋編下)(担当:分担執筆, 範囲:「エティエンヌ・マルセル」)2020

    • 著者名/発表者名
      堀越宏一編
    • 総ページ数
      399
    • 出版者
      清水書院
    • ISBN
      9784389501259
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [図書] 百年戦争――中世ヨーロッパ最後の戦い2020

    • 著者名/発表者名
      佐藤猛
    • 総ページ数
      286
    • 出版者
      中央公論新社
    • ISBN
      9784121025821
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [備考] 百年戦争 英仏間の百年戦争終結の定説に挑む

    • URL

      https://www.sekaiwokaeyo.com/theme/l2475/

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書

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公開日: 2019-04-18   更新日: 2025-01-30  

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