研究課題/領域番号 |
19K01077
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
加納 修 名古屋大学, 人文学研究科, 教授 (90376517)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | アジール / フランク時代 / 教会 / アルクイン / アインハルト / カール大帝 / 中世史 / 紛争解決 / 法制史 / 王権 / フランク王国 |
研究開始時の研究の概要 |
『広辞苑』によればアジールとは、「世俗の世界から遮断された不可侵の聖なる場所、平和領域、またその人と集団。自然の中の森・山・巨樹や奴隷・犯罪者などが庇護される自治都市・教会堂・駈込寺など」である。西洋中世においては宗教施設である教会がアジールとして重要な役割を果たしていた。西洋中世初期フランク時代における教会アジールの特徴とその歴史的な変遷を王権との関係から明らかにすることが本研究の主たる内容である。
|
研究成果の概要 |
教会アジールは、フランク時代の前期であるメロヴィング朝期(481~751年)においては広く認められていたが、カロリング期に入って衰退したとみなされている。本研究は、こうした教会アジールの変容について、フランク時代の国家と教会との関係を軸に再検討することを目的とした。とりわけカロリング期の紛争解決における教会および教会人の役割を検討することで、カロリング期におけるアジールの衰退という通説を見直す必要があることを明らかにした。またカール大帝やアインハルトの書簡について写本やラテン語の用法を含めて検討することで、カロリング期におけるアジール認識の解明に貢献した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義としては、カロリング期にアジールが衰退したとする通説に疑問を投げかけたことに加えて、とりわけカロリング期の書簡史料から得られる情報をどのように解釈すべきかについて、写本を含めた史料研究に基づいて新たな可能性を提示した。 社会的意義としては、過去の社会の紛争解決においてアジールや教会・教会人が果たした意義を明らかにすることによって、現代社会において同様の問題に対処する際に考慮されるべき素材を提供した。
|