研究課題/領域番号 |
19K01092
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
小泉 龍人 早稲田大学, 文学学術院, その他(招聘研究員) (80257237)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | メソポタミア / 理化学的分析 / 焼成温度 / 彩文顔料成分 / 実験考古学 / 土器焼成窯 / 彩文 / 都市形成 / 土器胎土 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、人びとの暮らしに欠かせない土器を切り口として、世界最古の都市がどのようにメソポタミアで形成されていったのかを追究する。北シリア、南東トルコ、南イラクなどで出土した土器について、胎土の鉱物組成の分析によりその焼成温度を比較推定し、彩文顔料の原料となる鉱物の組成によりその由来地を探っていく。そして、日本とトルコでそれぞれ土器焼成実験を行いながら、複眼的にメソポタミアの都市形成を検証していく。
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研究成果の概要 |
北メソポタミア周辺の複数地域の遺跡(トルコ、ティグリス川上流域;シリア、ハブール川流域)で出土している都市形成期(約7-6千年前)の土器について各種理化学的な分析を行ったところ、これらの土器はほぼ同じ900-950度で焼成されていたことが分かった。また、土器の胎土に使われていた粘土は地域(流域)別に差異があり、彩文顔料は多様な鉱物が使われていたことも分かった。さらに、現地(トルコ)にてメソポタミア都市形成期の彩文土器の復元焼成実験を実施して、950度を目標に一定時間焼成したところ、復元品の胎土には実際の土器と同様の鉱物組成を確認することができ、これまでの理化学的分析成果を裏づけることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、いかにして世界最古級のメソポタミアの都市が誕生したのかについて、都市形成期の土器を対象として多様な手法で分析・考察した点にある。とくに土器彩文顔料の原料として利用された鉱物を推定できた成果は大きく、都市誕生に向けた地域間交易の解明の手掛かりになると予想される。またアナトリア考古学研究所(トルコ)で実施した復元実験により、国内外の学界においてメソポタミアの都市形成プロセスの再構築に寄与することができた。本研究により、土や火という身近な視点から古代の人びとの暮らしを解明するだけでなく、古代への好奇心をよりかき立て、より良い暮らしへの何らかの提言にもつながると期待される。
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