研究課題/領域番号 |
19K01157
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04010:地理学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
遠藤 徳孝 金沢大学, 地球社会基盤学系, 准教授 (60314358)
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研究分担者 |
谷口 圭輔 筑波大学, アイソトープ環境動態研究センター, 研究員 (80774794)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 岩盤河川 / 山岳河川地形 / 傾動隆起 / 分水界移動 / モデル実験 / プラッキング / 河川地形 / 岩盤侵食 / 岩盤侵食速度 / 河川網パターン / 山岳河川 |
研究開始時の研究の概要 |
山岳河川と山地の起伏の景観は、河川による岩盤侵食と地殻変動による隆起とのせめぎ合いの結果であり、未来への途中経過である。山岳を流れる岩盤河川の発達・変遷は、平野の沖積河川と異なり、千年~数十万年以上の長期の現象で不明な点が多い。特に、河川による岩盤侵食速度の理解が遅れている。主要な素過程のうち、研究が進んでいないプラッキング(岩塊剥離)についての定量的理解に向け、室内実験を行う。また、隆起の様式(均一or傾動など)と河川網パターンの時間発達との関係についてさらなる研究が必要であり、これについても室内モデル実験による検討を継続する。
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研究成果の概要 |
岩盤河床侵食のプラッキング過程の水理実験により、節理で切り取られ、且つ、周囲より高い位置にある岩塊(ブロック)の流下方向のサイズが大きいほど、また、鉛直方向のサイズが大きいほど、プラッキングは発生しやすいことが分かった。流域スケールの実験では傾動と分水界移動の関係について検討した。自然地形の発達過程解析への応用として、傾動隆起を受けている佐渡島をGIS解析し、分水界が現在の位置にある理由や将来の移動の可能性を検討した。その結果、分水界の位置は現在、島の隆起速度が遅い側に偏っているにも関わらず移動性が低いことが分かった。これは隆起速度が速い側の沿岸の陸地化が原因であると結論付けた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
隆起速度が速い(地殻変動が活発な)地域地域は、遅い地域と比べて斜面崩壊や土砂災害の発生頻度が高いが、これは河川の下刻に伴う斜面不安定化と関係がある。個々の斜面崩壊はほぼ一瞬であり、一か所につき劇的地形変化の発生は低頻度である。一方、流域全体では異なる箇所で多数生じるとともに、流路ネットワークを通じて相互作用が起き、河川地形は隆起に対し非線形に応答する。タイムスケールが大きく異なる現象の関係を理解して、短期的かつ長期的な地形変化に伴う社会的リスク評価を実現するには定量的な理解が不可欠だが、実用的なモデルは確立していない。本研究の成果は、そうした定量的モデルの基礎となる素過程の理解を前進させた。
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