研究課題/領域番号 |
19K01207
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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研究機関 | 聖心女子大学 |
研究代表者 |
石井 洋子 聖心女子大学, 現代教養学部, 教授 (30431969)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 移動・越境 / ケニア / ギクユ人女性 / 頭脳流出 / 米国 / 高技能者 / ギクユ / 女性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、米国およびケニアでのフィールドワークを通じて、頭脳流出に悩むケニアの社会的発展を見据え、とくに90年代半ば以降に急増した在米ギクユ人女性の実態と母国との関わりを明らかにする。この作業を通じて、世界経済の流れにおいて過小評価されてきた女性移民が母国へ貢献する可能性をグローバル社会・経済への影響力の中で捉えていく。
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研究成果の概要 |
本研究は、米国およびケニアでの長期滞在型調査の研究成果をベースにして、2000年以降に急増したギクユ人移民女性の実態と母国との関わりを明らかにした。従属的に捉えられていた女性移民が、実は多様な支援をたぐり寄せてアメリカ生活を開始し、男性よりも早く稼ぎ始めて自立し、ニッチ産業へ参入し、戦略的・互恵的に生活する実態を明らかにした。彼女たち多くは医療従事者であり、実家や母国へ多額の送金を行っていた。母国の孤児院や教会、奨学支援を行うなど、母国との厚い関わりがあった。女性移民を遠隔的に支えるのは、携帯電話で繋がる友人や故郷の家族であるが、新天地で女性移民が紡ぐネットワークは多元的であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
カースルズ(2014:16)らは、近年の国際移動の特徴を「移民の女性化」と称し、看護師や家事労働者といった女性の国際労働者の増加を指摘した。しかし、本研究で注目した在米ケニア人女性移民は、男性出稼ぎ者の帯同家族として軽視され、実態が見えない状態であった。実際、米国大学の留学生や男性移民の家族として渡米する女性が急増し、筆者が出会ったケニア人女性看護師の多くは米国で専門的な知識を得て移住先に住み続ける頭脳流出の状態にあった。グローバリゼーションの時代が深化し、外国技術との連結をさらに求められるケニア社会の牽引者として女性移民に注目することは、アフリカ研究の新しい視点として重要である。
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