研究課題/領域番号 |
19K01273
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05010:基礎法学関連
|
研究機関 | 舞鶴工業高等専門学校 |
研究代表者 |
兒玉 圭司 舞鶴工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (10564966)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | 監獄 / 行刑史 / 内務省 / 典獄 / 警察監獄学校 / 自由刑 / 刑罰 / 刑事施設 / 被収容者 / 構外作業 / 監獄制度史 / 日本法制史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、監獄の個票・統計に注目するが、これを“ものさし”に例えて表現するならば、①“ものさし”を作る人・測る人への着目―司法・内務官僚や典獄(刑務所長)の学識・キャリアの分析、②“ものさし”で測られる人々の追跡―被収容者の属性(年齢・犯罪歴等)の把握、③“ものさし”自体の成り立ちの検証―個票・統計の書式とその根拠法令の典拠や変遷の確認を通じて、従来とは異なる観点から明治の監獄を読み解こうとするものである。
|
研究成果の概要 |
本研究は、明治期における監獄制度の展開を、監獄に関わる官吏、被収容者、そして彼らに対する“見方”(個票や統計の書式)に注目して捉えようと試みたものである。 その結果、1890年頃から、監獄行政に携わる官吏に求められる素養が変化し、専門化が進められることが明らかとなった。また、同時期以降、監獄を扱う専門雑誌や典獄同士のネットワークを通じて、現場からも統計書式や処遇の改善が求められていることを確認できた。 研究代表者は、1890年代以降に日本の監獄の近代化が進んだと考えているが、本研究を通じて、官吏の登用方針や官吏の活動、実務上の各種書式といった側面から、そうした見方を補強できたものと考える。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、明治期における日本の監獄制度の展開を、当該期における官吏のキャリアや学識、その採用や昇進のルール、さらには被収容者を把握するための各種書式に着目して追ったものである。 従来、1890年代以降の監獄行政を説明する際には、ドイツ監獄学の継受と、内務省主導での監獄運用の統一に力点が置かれていたが、本研究では、その背後にある担い手の変化、特にこれまで捕捉しきれていなかった、監獄改良をめぐる現場の動きを捉えることができた。 本研究で採用した、「担い手」に着目して制度の変更・展開を論じる手法は他の領域にも応用可能で、隣接諸分野との対話可能性をもつ成果といえるように思う。
|