研究課題/領域番号 |
19K01351
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05050:刑事法学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
田口 守一 早稲田大学, 法学学術院(法務研究科・法務教育研究センター), 名誉教授 (80097592)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 企業犯罪 / 合意制度 / 当事者主義 / 職権主義 / 訴追裁量 / 訴訟構造論 / 訴訟目的論 / 司法文化 / 国際刑法学会 / 訴訟構造 / 訴訟主体 / 比較刑事司法制度 / 課徴金減免制度 / 危険社会 |
研究開始時の研究の概要 |
今日の企業犯罪は、組織化し、情報化しまた国際化していることから、その捜査・公訴手続きもこれに対する制裁制度や予防措置も、古典的な犯罪とは大きく異ならざるを得ない。そこで、新に導入導入された合意手続き制度だけでなく、行政処分としての課徴金制度や企業の自主的なコンプライアンス制度との関係も検討し、刑事司法機関以外の多機関が協働して企業犯罪への対応に学際的に取り組む必要がある。本研究は、このような多機関協働的刑事司法制度の構築を目指すものである。
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研究成果の概要 |
本研究は、企業犯罪という現代型犯罪への対応形態として新たに導入された合意制度がこれからの刑事司法制度の展開を促す端緒となりうるとの視点から、主に合意制度を中心として多機関協働的刑事司法制度の構築を主張したものである。複雑な企業犯罪の真相解明のためにもまた企業犯罪の予防のためにも、企業犯罪に対しては企業自身を含む事件関係者の主体的手続関与を組み込んだ制度すなわち多機関協働的刑事司法制度を構築しておくことが必要であり、そのような司法制度は今日の時代に適合した新たな当事者主義の訴訟構造から初めて可能となることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、今日の複雑な企業犯罪の真相解明やその予防のためには、その前提として刑事司法制度の理論構造を根本的に考え直す必要があるとして、これまでの議論が主に適正手続論に集中してきたことを批判的に検討して、基礎理論としての当事者主義の訴訟構造論の重要性を指摘した。その上で、とりわけ新たに導入された合意制度の持つ当事者主義的意義を明らかにし、企業自身が刑事手続に主体的に関与することで、刑事事件の解決に国家機関以外の民間機関が関与することの重要性を示して、民間機関と刑事司法制度との新たな関係のあり方を提示した。
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