研究課題/領域番号 |
19K01366
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05060:民事法学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
上山 泰 新潟大学, 人文社会科学系, 教授 (50336103)
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研究分担者 |
内田 千秋 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (40386529)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 成年後見制度 / 取締役の欠格条項 / 会社法 / 民法 / 障害者権利条約 / 成年後見法 / 欠格条項 |
研究開始時の研究の概要 |
現在,障害者権利条約の批准等の事情を背景として,取締役等の会社役員に関する欠格条項を廃止する旨の会社法改正作業が進んでいる。これが実現すると,成年被後見人等も取締役等に就任できる(あるいは就任し続ける)ことが可能となる。しかし,たとえば成年後見人は成年被後見人の権利擁護を目的とした財産管理人であるため,会社の客観的利益とその会社の取締役である成年被後見人の個人的な利益とが対立した場合,法定代理権の行使の方向が難題となりうるだろう。本研究はこうした両制度の交錯から生じる種々の多様な論点を会社法と成年後見法双方の視点から整理して,その解決のための実務的な処方箋を提示することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、2019年の会社法改正によって取締役等の欠格条項が削除されたことで具現化した「会社法制と成年後見法制の交錯から生じる理論的・実務的課題」を体系的かつ網羅的に明らかにした上で、両法制の理念に整合的な規範体系を主に解釈論の視点から再構築して、先の課題を解決するための効果的な処方箋を提示することにあった。本研究では、明治32年の商法典から現行会社法331条の2に至る関連規定の沿革に即した分析と主にフランス法を対象とした比較法的分析を行った。これにより、成年被後見人等が取締役等に就任した場合の成年後見人等の法的役割に関する理論的、実務的な課題を明らかにすることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
認知症等のために成年後見に対するニーズを持つ会社の経営者層が増大している一方で、令和元年会社法改正により成年被後見人等が取締役等に就任する道が開かれた。この場面を規定する会社法331条の2によって、成年被後見人等が取締役等に就任している会社、成年被後見人本人、成年後見人という三者の法的位置づけが一定程度は整理されたが、成年被後見人の損害賠償責任の問題のように、そもそも今後の解釈論に委ねられた論点があるほか、成年被後見人の終任のコントロールの在り方等、会社法学と民法学の共通の課題として残された論点も多い。本研究はこうした課題の解決に一定の方向を示す点で学術的・社会的に大きな意義を持つ。
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