研究課題/領域番号 |
19K01540
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07010:理論経済学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
福住 多一 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (90375387)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2019年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | ゲーム理論 / 帰納的意思決定理論 / 事例ベース意思決定理論 / 心理的ゲーム理論 / 進化ゲーム理論 / 意思決定理論 / 限定合理性 / 主観確率 / 選好進化ゲーム理論 / 認識論的ゲーム理論 / 帰納的推論 / ベイジアン決定理論 / 選好進化 / 数理経済学 / 帰納的意思決定 / 選好進化モデル |
研究開始時の研究の概要 |
演繹的な意思決定モデルを基礎とする伝統的なゲーム理論は、経済学を中心に多くの社会科学に取り入れられてきた。この基礎に関する考え方の相違から、未だゲーム理論によるアプローチとは溝がある人文社会諸科学が存在する。この溝を埋める活路として、本研究は帰納的意思決定理論をゲーム理論に取り込む基本モデルを構築する。そしてこの基本モデルを選好進化モデルと心理的ゲーム理論に応用する。これはプレイヤーの心理的側面を強調することで進展の著しい行動経済学の統一的な理論的基盤を与え得る。さらに当初の本研究動機に沿い、経済学以外の人文社会諸科学に対し、本研究で開発する帰納的意思決定を含むゲーム理論モデルを応用する。
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研究成果の概要 |
標準的なゲーム理論は演繹的な意思決定を行うプレイヤーを想定している。本研究は演繹的な意思決定方法に加えて、帰納的な意思決定方法を一定の割合で行うハイブリッド型意思決定方法に従うプレイヤーを想定し、その予測行動やゲーム理論モデルへの応用の結果を中心に検討した。特に事例ベースモデルの多様なタイプのモデルの頑健性が確認された。さらに、ハイブリッド型プレイヤーのモデルが、心理的ゲーム理論で採用される様々なタイプの限定合理性の分析結果を統一的捉えることができるモデル構築手法の端緒を見出した。また意思決定における演繹と帰納のウェイト進化ゲーム理論での淘汰圧にさらして分析する基本モデル化の方法を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ゲーム理論を用いて経済学をはじめとする社会科学は、理論的な分析が大きく進展した。しかし歴史的な側面を重視する社会科学の諸分野との融合や、社会から個人への影響を重視する社会科学との融合はいまだに困難な点が多い。その要因の一つが、個人の意思決定手法に対する諸学問の想定の相違にあると考えられる。ゲーム理論は個人の演繹的な意思決定を想定し、経験を通した帰納的な意思決定や社会からプレイヤーの意思決定への影響を捉える分析手法については、進化ゲーム理論を除いて少なかった。本研究では、演繹と帰納を合わせたハイブリッド型意思決定モデルをゲーム理論に応用し、社会諸科学の融合に向けた基礎理論構築の研究を行った。
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