研究課題/領域番号 |
19K01563
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07010:理論経済学関連
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
川森 智彦 名城大学, 経済学部, 教授 (70550531)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | コンテスト / 外部機会 / 努力の最大化 / ゲーム理論 |
研究開始時の研究の概要 |
コンテストにおいて敗者が外部機会から利益を得られる状況を定式化し,分析する.Tullock (1980)によって定式化されたコンテストでは,各利益団体はレントを獲得するため政府に働きかけを行い,働きかけ水準に比例した確率に従って勝者が選ばれる.本研究では,コンテストに外部機会を導入する.すなわち,敗者はコンテスト外の機会から利益を得られる状況を考える.外部機会からの利益の大きさが均衡での働きかけ水準や社会厚生に与える影響を分析する.さらに,各利益団体が自身の外部機会からの利益を減少させることができる状況を考え,均衡において戦略的に外部機会からの利益を減少させる利益団体があるかを明らかにしたい.
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研究実績の概要 |
プレイヤーを非対称に扱うコンテスト成功関数のもとで,敗者が外部機会から得られる利益をあえて減らすことが均衡で起こるのかを検討し,そのようなことが起きないことがわかった.前年度までに,成功確率が努力そのものや努力の自乗に比例するコンテスト成功関数のもとでのコンテストや全支払いオークションで,敗れたときに得られる外部機会からの利益をプレイヤーが内生的に減らすことが可能なゲームにおいて,外部機会からの利益を減らすことが均衡で起きないことを確認していた.そこで,プレイヤーを非対称に扱うコンテスト成功関数のもとで,外部機会からの利益を減らすことが均衡で起きないか検討した.モデルの概略は以下の通りである.第1段階で,各プレイヤーは外部機会から得られる利益をどれだけ減らすかを同時に選択する.第2段階で,各プレイヤーは努力水準を同時に決定する.コンテスト成功関数が指定する確率分布に基づいて勝者が決まる.勝者は,コンテストの賞から得られる利益を獲得する.敗者は,第1段階で減らした,外部機会から得られる利益を獲得する.このモデルにおいて,外部機会からの利益を減らすことが均衡で実現するかをチェックしたところ,そのようなことは起きえないということがわかった. 本研究に関連して,コンテストの設計者がプレイヤーの賞に対する価値を,努力を通じて,搾り取るコンテスト成功関数の設計に関する研究を進めた.前年度までに,賞の価値がプレイヤーによって異なるばあいと等しいばあいを含んだ論文を書いていた.しかし,先行研究との比較の点で,この2つは別のトピックとして,別の論文にしたほうがよいと判断し,2つの論文に分けた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
様々なコンテスト成功関数のもとで,均衡において外部機会からの利益を減らすことが起きないか検討したが,そうしたことは起きなかったから.
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今後の研究の推進方策 |
コンテストで,均衡において外部機会からの利益を減らすことは起きそうにないようである.したがって,外部機会からの利益を減らすことが起きることを示すことに固執するのはやめる.代わりに,賞の価値を,努力を通じて,搾り取るコンテスト成功関数の設計に注力する.
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