研究課題/領域番号 |
19K01627
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
伊藤 高弘 神戸大学, 国際協力研究科, 准教授 (20547054)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 環境保全型農業 / 有機農業認証 / 農業技術普及 / 情報伝播 / 村落内ネットワーク / 無作為化比較試験 / スリランカ / 無作為化比較対照試験 / 情報普及 / 農業技術訓練プログラム / 知識・情報伝達 / フィールド実験 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、開発途上国における持続可能な農業に向けた政策提言を行うことにある。具体的には、本研究は以下の三つの研究テーマからなる。 A) 環境保全型農業技術および有機農業認証への政府補助金プログラムに関する、村落内の知識・情報の共有メカニズムの解明 B) フィールド実験の手法を用いた、農家による環境保全型の農業技術採用の要因解明 C) 環境保全型農業技術の採用による農業生産性への影響評価 そして、これらの個別テーマから得られた知見に基づき、途上国における環境保全型農業の普及に向けた政策パッケージを策定・提案することが本研究の最終的な目標である。
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研究成果の概要 |
本研究では、環境保全型農業認証と政府補助金プログラムに関する情報の伝播についての無作為化比較試験を実施し、その分析結果を論文としてまとめた。主要結果は以下の通りである。スリランカ中部州3県5村における講習会実施のフィールド実験から、村落内ネットワークのハブである主要農家の参加が、ネットワーク内の講習会非参加者の知識を平均的なそれよりも131%程度増加させ、申請参加率も113%程度増加させることが明らかとなった。この結果は、ネットワーク型農業技術普及により、新たな技術の情報を伝播し、実際の採択を促進するためには、コミュニティにおいて中心的役割を果たす人物の参加が必要不可欠であることを示している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ネットワーク型農業技術普及とは、農業技術の講習会などにおいて、対象者全員(例えば村の農家全員)を呼ばずに、一部の者だけを呼び、参加者のネットワークを利用して農業技術に関する情報や知識の伝播・普及を図ろうとする方法のことを指す。途上国では、先進国において確立された確実性の高い技術であっても、農民の採択率が低いことがしばしば問題として指摘されてきたが、この方法は、低コストで大きな効果を生む可能性があるとして近年注目を集めている。一方で、厳密な統計的手法を用いて、この普及方法を評価した研究は非常に少ない。本研究では、その欠点および改善方法に関する政策含意を導き出しており、社会的意義は大きいと言える。
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