研究課題/領域番号 |
19K01673
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 滋賀大学 |
研究代表者 |
吉田 裕司 滋賀大学, 経済学系, 教授 (40309737)
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研究分担者 |
zhai 唯揚 富山大学, 学術研究部社会科学系, 助教 (80966333)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 経常収支 / 貿易収支 / 所得収支 / 構造VAR / 為替レートパススルー / グローバルバリュウチェーン / 時変パラメターVAR / 短期資本流入 / 株式市場連動性 / 資本流入連動性 / Glick-Rogoffモデル / 為替レート / 金融収支 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、経常収支を貿易収支と第一次所得収支に分解した上で、為替レート変動が経常収支に与える影響を明確にすることである。本研究は、貿易収支と第一次所得収支の各要素に対して、為替変動とリスク変動からの影響を重視するForbes型の分析を日本経常収支に適用する初めての研究となる。さらに、貿易収支と第一次所得収支から為替レートへの逆の因果性も考慮する三変量TVP-VAR(時変パラメターVAR)を推定する計画である。さらに、先行研究では世界全体合計に対する経常収支だけを対象としているが、本研究では相手国別経常収支分析に挑戦する。
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研究成果の概要 |
本科研費による研究成果は5点である。1点は国際金融の主力国際学術誌に刊行され、1点は英文研究図書の章として掲載された。また、多くの研究会・国内学会・国際学会にて報告を行った。 一つ目はグリック・ロゴフ・モデルをBRICS諸国に応用した分析であり、先進国と新興国では異なる経常収支調整メカニズムが働くことを示した。二つ目は、TVP-VARモデルを用いて、コアCPIへの為替レートパススルーが非常に小さなことを指摘した。三つ目は、経常収支を貿易収支と第一次所得収支に分解した上で、SVAR(構造型ベクトル自己回帰)モデルを用いることで、日本の経常収支のダイナミクス構造を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
国際収支調整メカニズムに関しての新しい知見を得られることが出来た。(1)先進国と発展途上国では異なる経常収支調整メカニズムが働いている。特に、生産性ショックの影響は先進国にとっては重要であるが、発展途上国にとっては影響が小さい。(2)日本においては、為替レートの影響が国内消費者物価指数に与える影響は非常に小さい。(3)しかし、それは構造ショックによって異なり、国内需要ショックが逆の影響を与えているために、総合的には小さくなっていることが示された。これらの研究結果を踏まえて、政策当局は2023年以降の金融・財政政策を運営する必要がある。
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