研究課題/領域番号 |
19K01706
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07050:公共経済および労働経済関連
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
木村 寛子 (奥平寛子) 同志社大学, ビジネス研究科, 准教授 (80550954)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 情報の非対称性 / 新卒労働市場 / 採用 / 希望退職 / レイオフ / 生産性 |
研究開始時の研究の概要 |
深夜残業があるか、昇進に男女差別があるか、といった企業内の労働環境に関する情報の非対称性を解消することは、求職者だけではなく、社会全体の厚生を改善させる可能性がある。企業内情報が公開されることにより、求職者が条件の悪い企業への応募を避けるようになり、結果として、長時間残業や男女差別の深刻な企業を労働市場から淘汰することができるかもしれないからだ。本研究では、企業評価サイトに掲載される大規模な公開情報のうち信頼性の高いものを抽出してデータ化し、労働環境に関する情報の非対称性が解消されることによって、求職者の応募行動が変化したり、労働環境がどの程度まで改善されたりするのかを統計的に検証する。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、企業に関する情報の非対称性が解消されることによって、求職者の応募行動や企業内就業環境にどのような影響が出るかを検証することにある。付随する研究として、希望退職の適時開示情報の公開が企業パフォーマンスに与える影響についても検証した。最終年度までの分析により、女性活躍推進法の成立の影響について推定を行い、情報の公開が事業所に与える影響を確認した。現在も、共同研究者とともに分析を進めている。また、希望退職に関する適時開示情報の影響を検証する研究では、成果をまとめ、国内外の複数の学会やセミナーで報告を行うとともに、国際査読誌に投稿・改訂中である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
企業内情報の非対称性が解消されることは、求職者だけでなく、労働市場にとっても重要な意味を持つと考えられる。第一に、事前に企業内情報が知られるようになると、求職者は労働環境に関して正確な知識を持つようになるので、労働者と企業のマッチングの質が高まり、必要のない早期離職が減ることが予測される。第二に、労働環境に関する情報の非対称性を解消すること自体が企業に対して労働環境を改善させるインセンティブとなる可能性がある。企業内情報の非対称性を解消することは社会厚生を改善させる可能性を秘めており、労働市場にとって重要な課題といえる。
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