研究課題/領域番号 |
19K01714
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07050:公共経済および労働経済関連
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研究機関 | 東京女子大学 (2021-2022) 東京大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
佐口 和郎 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (10170656)
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研究分担者 |
金井 郁 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 教授 (70511442)
橋本 由紀 (長澤由紀) 独立行政法人経済産業研究所, 研究グループ, 研究員 (30707675)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | プラットフォーム・ビジネス / ライドシェア / ギグワーク / 雇用労働者性 / 地域特性 / タクシー産業 / タクシー / ギグワーカー / 公共交通 / プラットフォームビジネス / 公共性 / 地域経済 / ライド・ヘイリング事業 / 既存タクシー産業 / 雇用者性と非雇用者性 / インディペンデント・コントラクター / 地域公共交通 / 新型コロナ問題 / 地域貢献 / 雇用制度 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではタクシー産業とプラットフォーム・ビジネスの代表モデルとされるライドシェアの関係を事例に、日本、米国、中国の3カ国を対象に比較検討を通じて、プラットフォーム・ビジネスがもたらす労働者の働き方の変化を、雇用制度に関する理論の再検討とデータ分析によって抽出することを目指す。また、プラットフォーム・ビジネスの萌芽と普及過程におけるジェンダーインパクトと新しい働き方におけるジェンダー化のあり様を検討する。
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研究成果の概要 |
ライドシェアとタクシー産業との関係の展開は、国際的にはライドシェアによるタクシー産業の駆逐から双方の変容の上での相互浸透への過程であると確認した。他方、ライドシェアの直接的参入が回避された日本では、タクシー運転手の雇用労働者性がこの回避につながったが、内部でのその多様さが顕在化し新型コロナ問題発生以降はそれが進化したことを明らかにした。 次に、日本でのライドシェア参入可能性に対して、地域ごとにタクシー会社の対応が異なることを明らかにした。この対応の異質性は、経営体力や地域特性だけでなく以前から進展していたタクシー産業の規制緩和や高齢化の影響、雇用労働者性からの距離とも不可分だったことも確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
第一に日本においてUberと対峙したのはインディペンデント・コントラクターに担われているタクシーではなく雇用労働者である運転手によって担われる法人タクシーである。よって本研究での事例は、ライドシェアが間接的ではあれ雇用制度と競合した場合に後者にどのような影響をもたらすのかを探究する上で貴重な論点を示している。第二に実証研究が極めて少ない日本のタクシー運転手の働き方について、雇用労働者性を軸にその多様性にまで立ち入って明らかにしている。第三に元来この多様性の内に存在していた「雇用労働者と個人自営業者との中間的な層」が抱えるネガティブな側面が一連の過程で顕在化していることを明示した。
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