研究課題/領域番号 |
19K01715
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07050:公共経済および労働経済関連
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
堀 雅博 一橋大学, 大学院経済学研究科, 教授 (50284667)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 家計消費 / 財政再建 / 消費税 / 付加価値税 / 税の逆進性 / 恒常所得仮説 / 逆進性 / 逆進課税 / 世帯間格差 / ライフサイクル仮説 / EBPM |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、複数の統計調査の個票データを補完的に用いた実証分析やマクロデータの国際間比較分析を通じ、日本財政の基幹財源として期待されている消費税が我が国世帯間の経済格差や個別世帯の消費行動に与える影響について新たな知見を見出すことを目的としている。より具体的には、①いわゆる「逆進性」問題を始めとする消費税の再分配効果の評価、また、②消費税率の引上げが消費者行動に与える影響の評価、という2つの課題に特に焦点を当てた研究を行う。これらの分析を通じ、我が国における世帯消費行動の解明を進め、基幹財源として期待の大きい消費税の関連施策を確かな根拠に基づいて実施していくための材料を提供できるようにしたい。
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研究成果の概要 |
本研究は、消費税施策を確かな根拠に基づいて行うため、日本の消費税について複数個票データを補完的に用いた実証分析を行った。 複数調査の個票を組み合わせて実証分析に取り組んだ結果、①消費税に関する経済学者と国民一般の認識には隔たりがあり、経済学者は消費税に肯定的であるのに対し、国民はそれに否定的であること、②そうした認識ギャップには接する情報メディアの影響が見られ、新聞等で経済情報に接する個人程消費税を受け入れる傾向が強いこと、また③アベノミクス期以降の消費性向の低下は消費税率引き上げの結果ではないこと、③消費税負担は世帯の豊かさとはほぼ無関係であり、消費税は中立税であること等を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
消費税(付加価値)は、これからの日本財政の基幹財源と期待される一方、景気に与える悪影響や逆進性への懸念から、国民の支持が得られない状況が続いている。その今日的重要性にもかかわらず、我が国では消費税施策の実証分析はあまり進んでおらず、確かな根拠に基づいた政策策定(EBPM)が行えない状況にある。本研究では、そうした問題意識の下、消費に係る経済学の標準理論である恒常所得仮説と日本の消費税を組み合わせ、学術的な理論仮説の検証にとどまらず、我が国の実際の政策運営の観点からも意義深い問い(更なる消費税活用の可否)に焦点を当てた分析を行っており、学術性とともに社会的意義も少なくない研究になっている。
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