研究課題/領域番号 |
19K01825
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
森田 雅也 関西大学, 社会学部, 教授 (40247896)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 裁量労働制 / 自己規制した管理 / 自律性 / 境界決定の自律性 / やろうと思えばできる安心感 / 仕事遂行の自律性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、①裁量労働制には「自己規制した管理」が有効であることと②「自己規制した管理」が、裁量労働制のみならず、広く自律的な働き方に相応しい管理のあり方であることを明らかにすることを目指している。 研究は、裁量労働制を導入している組織を対象に、人事担当者と裁量労働制で働く労働者や労働組合から聞き取りを行う実証研究と文献を基にした論理的な研究を統合して進めていく。 2019年度と20年度は実証研究を中心に進め、2020年度と21年度は成果の報告、コメントと批判を受けての再検討を繰り返し、「自己規制した管理」概念の精緻化を図るとともに、自律的な働き方に適した管理のあり方を究明する。
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研究成果の概要 |
裁量労働制適用者を対象にした質問票調査(専門業務型適用者366人、企画業務型適用者196人、合計562人)と聞き取り調査を中心に研究を遂行した。その結果「境界決定の自律性」を法的に労働者に認める裁量労働制には、「自己規制した管理」が有効な可能性が示された。 「自己規制した管理」の要件として、長時間労働の制度的抑止などの安全配慮義務履行の徹底、「やろうと思えばできる安心感」の付与、制度の趣旨を理解した管理職の行動、適用職務と適用者選定の妥当性(適者適職)があげられる。 ただし、従来の管理のあり方から「自己規制した管理」へといかに変えていくかは、今後の課題である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
労働者の時間決定に関する自律性(境界決定の自律性)を法的に認める裁量労働制には、過酷な長時間労働に繋がるといった批判も多い。しかし、境界決定の自律性を認めた柔軟な働き方が今後ますます社会的に求められるであろう中、「自己規制した管理」によって裁量労働制が労使双方に有効な制度として機能する可能性を示せた点が学術的かつ社会的な意義と言える。 この成果は、裁量労働制や高度プロフェッショナル制度が、労働者に過度の負担を強いることがなく自律的に働ける制度として社会に受け入れられることと、これらの普及の促進に繋げられる可能性がある点にも社会的意義が見出される。
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