研究課題/領域番号 |
19K01883
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
水村 典弘 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 教授 (50375581)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 意図せぬ不正 / コンプライアンスの死角 / 行動意思決定論 / 不正もやむなしの心理 / 不適切な広告表現 / SNS炎上 / 認知バイアス / QCT / 行動倫理学の学説研究 / 製品表現の倫理 / 広告等表示の倫理 / アクションラーニング / 行動倫理学 / 認知科学 / 不正の発生要因 / バイアス / 認知的失敗 / システム1 / システム2 / 企業不祥事 / TDnet(適時開示情報伝達システム) / 不適切会計 / 資産の不正流用 / 不適切検査 / 開示規制違反 / 不正の影響額 / 研修転移 / コンプライアンス研修 / 企業等不正 / 倫理法令順守 / 倫理的意思決定モデル |
研究開始時の研究の概要 |
日本企業の多くは、コンプライアンス推進の体制を整備し、「コンプラ研修」も実施している。にもかかわらず、社内や職場での不正は後を絶たない。不祥事発覚後に公表される報告書によれば、企業等不正の原因は「売上至上主義」「利益偏重の経営」「コンプライアンス意識の鈍麻」だとされる。確かに不正・不適切事案の背後にそうした一面があることは否定できない。しかしそれで片づけてしまって問題ないのであろうか。本研究は、コンプライアンス研修の制度設計と運用実態とのギャップを抽出・課題化したうえで、コンプライアンス本来の目的を達成するためには何が必要なのかについて理論的・実証的に分析し、研修転移を促す処方箋を提示する。
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研究成果の概要 |
企業等不祥事発覚後に公表される報告書を読むと、「仏作って魂入れず」だとか、「コンプライアンス体制の機能不全」などといった言葉で一括りにされる社内の実態が浮かび上がってくる。では、どうしてそうなるのだろうか。本研究は、(1)社内や職場で実施されるコンプライアンス研修に着目して、現場で働く社員等に「やらされ感」を生む要因を抽出するとともに、(2)「意図せぬ不正」を働く組織人の倫理観の揺らぎや心理変容のプロセスを学際的なアプローチで掘り下げて分析して理論化した「行動倫理学」の論点と方法論上の特徴を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、「意図せぬ不正」を働く組織人の倫理観の揺らぎや心理変容のプロセスを学際的なアプローチで掘り下げて分析した「行動倫理学」の知見と研究の成果を基に現代の経営に埋め込まれたコンプライアンスの制度の運用上の課題を理論的に浮き彫りにしたことである。また、本研究がスポットライトを当てた「コンプライアンス・プログラムの形骸化」と「社内や職場における意図せぬ不正」については、現代日本の企業社会が否が応でも向き合わざるを得ない課題となっているため、本研究の内容もまた時代と社会からの要請に適合しているといえる。
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