研究課題
基盤研究(C)
社会において人は通勤,通学,買い物など移動を伴う様々な活動をしているが,移動それ自体が目的ではなく,移動先での活動のために仕方なく移動していることも多い.しかし,近年ではインターネットに接続可能な携帯端末を使うことで,移動時間を有効に活用できるようになってきた.本研究では,公的機関の実施したデータや筆者の独自調査データを用いることで,移動中に行う活動の時代変遷を把握するとともに,移動中に行われる活動はどの程度生産的なのか,また生産的な活動が実行可能な移動環境の整備に,どの程度の金銭的価値があるか,解明する.
移動中に行う活動の時代変遷を社会生活基本調査の2001~2016年のデータ,文献調査と動画の内容分析から得られた1983~2019年のデータを用いて分析した.移動中に各活動を行う比率やその経年変化を統計分析した.このほか,移動中の車内環境改善に対する支払い意思の分析,移動中に行う活動の幅が広がる自動運転の受容性の分析,時代変遷を把握するために構造変化の開始・終了時点を内生的に決定できるモデルの構築,等を行った.また,分析においてCOVID-19の視点を含んだ.
移動中に有意義な活動を行うことが可能になると移動に関する負の効用が減少する.これは,プロジェクト評価に用いる時間価値の低減,そして時間短縮便益の減少につながり,ひいてはプロジェクト実施の判断にも影響を与える可能性がある.そのため,様々な交通手段を利用する人々のうち,どのくらいの割合の人がどのような活動を行っているかを把握し,それが時代とともにどのように変化したかを把握することは政策的にも意味がある.
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