研究課題/領域番号 |
19K01962
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07090:商学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
三古 展弘 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (00403220)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 消費者行動 / 交通行動 / 移動中の活動 / 通勤・通学 / 移動環境 / 支払い意思額 |
研究開始時の研究の概要 |
社会において人は通勤,通学,買い物など移動を伴う様々な活動をしているが,移動それ自体が目的ではなく,移動先での活動のために仕方なく移動していることも多い.しかし,近年ではインターネットに接続可能な携帯端末を使うことで,移動時間を有効に活用できるようになってきた.本研究では,公的機関の実施したデータや筆者の独自調査データを用いることで,移動中に行う活動の時代変遷を把握するとともに,移動中に行われる活動はどの程度生産的なのか,また生産的な活動が実行可能な移動環境の整備に,どの程度の金銭的価値があるか,解明する.
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研究実績の概要 |
社会生活基本調査の2001年,06年,11年,16年のデータを用い,移動中の活動の時代変遷を分析した.その結果,移動中に移動以外の他の活動を行っている割合は増加していた.移動中の活動としては,(1)コンピュータの使用やコンピュータゲームが増加傾向,(2)特にコンピュータの使用は2016年においては移動の目的に関わらず高い,(3)主な仕事中の移動や出張・研修に伴う移動中に主な仕事を行う者が増加,(4)買い物が増加,(5)出張・研修に伴う移動中の睡眠が減少,(6)電子メール等による交際・付き合い等が多くの移動目的で増加傾向,(7)通勤や出張・研修に伴う移動中の読書が減少傾向,などが明らかになった. また,コロナ禍前後での通勤時における移動中の活動について1000名を対象とした調査を実施し,基礎分析を開始した. 移動中の活動について調査した過去のデータを収集し,移動中の活動の時代変遷を分析している.今後,分析の結果をまとめて出版する予定である. NPO法人現代経営学研究所と神戸大学大学院経営学研究科が共催する,第110回ワークショップを2023年3月5日に開催した.タイトルは「コロナを機に国土が変わる,社会が変わる―不動産と鉄道から見える人々の本源的需要―」というものであり,三古が企画およびパネルディスカッションの司会を務めた.パネルディスカッションでは,交通の派生需要としての性質に着目した議論を展開した.この成果は,2023年度中に現代経営学研究所発行の会報に掲載される予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルスの影響により,研究計画の変更を余儀なくされたため.
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今後の研究の推進方策 |
(1) 社会生活基本調査データを用い,移動中に行う他の活動の時代変遷(過去15年)について統計的な分析を継続して行う. (2) コロナ禍で勤務場所がどのように変化したか,またそれに伴って移動中の活動がどのように変化したか,についての調査を実施した.そのデータを用いて統計的分析を行う. (3) コロナ禍でのオンライン講義等の普及によって生じた大学生の居住地の変化に関する調査データを用いて分析する.居住地の変化は移動時間の変化にも直結するため,重要な研究課題である. (4) 歴史的資料の収集を継続して行い,長期間における移動中の活動を分析する.
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