研究課題/領域番号 |
19K01965
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07090:商学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
小野 晃典 慶應義塾大学, 商学部(三田), 教授 (20296742)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | カスタマイゼーション / ブランドスイッチ / ジルト効果 / プロダクト・カスタマイゼーション / ブランド・スイッチング |
研究開始時の研究の概要 |
顧客一人ひとりの注文に応じてカスタム製品を安価で大量に供給する最新システムに関して、本研究は、カスタム製品の注文の難しさに伴うスイッチング行動に着目する。企業は、この難しさへの対策として、注文を断念した顧客が同一ブランドの既製品の購買を検討できるシステムを導入しているが、これに懐疑の目を向けた実務家や研究者は皆無である。本研究は、注文を断念した顧客が競合ブランドへスイッチする条件の特定化を試みる。
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研究成果の概要 |
顧客から注文を受けて製品を提供する電子商取引システムをeカスタマイゼーション・システムという。このシステムは、顧客ニーズに合致した製品を提供しうると期待されるものの、顧客が自力で製品パーツを組み合わせなくてはならない点に困難性が伴う。この困難性に直面した顧客は、注文を断念してしまうことがある。そのような顧客のために、現実の企業は、既製品販売システムへと顧客を誘導しようとしてきた。しかし、本論は、「ジルト効果」に関する最新理論を援用して、注文に失敗した顧客は、既製品を含むブランドから退出する気持を増幅させる傾向にあるということを実証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
オンライン・カスタマイゼーション・システムを顧客に提供している先端的な企業は、しばしば顧客が製品の注文を断念してしまうという問題に苛まれている。この問題を解消するために、このシステムを従来型の既製品販売システムを接合させることによって、注文を断念した顧客が、既製品を購買するという代替的選択肢を採用するように誘導している。しかし、この試みは、問題解決に貢献しない危険性がある。本課題の事業者が、本課題の前に取り組んだ課題で取り扱ったように、注文を断念させない仕組みづくりのほうが、断念後の受け皿づくりより効果的であろうことを示唆した点で、学術的にも実務的・社会的にも大きな前進を成したと言いうる。
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