研究課題/領域番号 |
19K01983
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07100:会計学関連
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
大雄 智 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 教授 (40334619)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | エクイティ / 資本会計 / 会計主体論 / 持分会計論 / 残余請求権 / 企業利潤 / 超過利潤 / 概念フレームワーク / 持分会計 / 企業家論 / 不完備契約理論 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、企業の投資の成果とりわけ超過利潤に対して、誰がどれだけの分け前を持つのかという観点から、法学における株式本質論や経済学における不完備契約理論、企業家論にも目を向けながら、企業会計上の持分論を再構築するものである。超過利潤はそもそもなぜ生じるのか、それは誰に帰属するのか、といった問題に取り組みながら、[残余請求権者=株主]という前提に依拠した現行の企業会計の限界を明らかにし、株主、経営者、従業員が有形無形の資源を拠出する組織としての企業に着目した会計制度を展望することが本研究の目的である。
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研究成果の概要 |
本研究は、企業家精神を発揮する経営者や企業特殊的な知識・技能を習得する従業員など、株主以外にも残余請求権者としての性格を有する利害関係者が存在することを想定し、企業成果に対する各当事者の取り分が事後的交渉によって決まる状況での利益測定のあり方を検討するものである。企業と従業員との間の情報の非対称性を考慮すると、企業成果への貢献に見合う報酬の支払いが1期間で達成されるとは限らない。そうした状況を前提に、投資の成果の不確実性だけでなく、その帰属と分配の不確実性・不確定性にも注意を払いながら、企業会計における利益と持分の概念を再解明するための議論を展開した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、残余請求権者を株主とする前提とその背景を問いながら、企業会計上の持分論を再構築しようとするものである。超過利潤の源泉が、経営者による企業家的活動や従業員による企業特殊的な投資にあるとすれば、現行の企業会計上の株主持分には株主以外の利害関係者の持分が混入していることになる。それは、利害関係者間の情報の非対称性に起因して、企業利潤への貢献に見合う報酬の支払いが1期間では達成されない状況とも関連している。本研究は、超過利潤の源泉たる人的資本への衡平な分配という観点から、企業会計上の純利益と残余持分の概念を再検討するための基礎を提供するものである。
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