研究課題/領域番号 |
19K02041
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
|
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
右田 裕規 山口大学, 時間学研究所, 准教授 (60566397)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2019年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
|
キーワード | ナショナリズム |
研究開始時の研究の概要 |
初年度には、「天皇家の出来事群の実写映画を商品化する資本の運動は、どのような文化的条件のもと、どのような規模と質において展開されていたか」という問題についての資料調査と考察を進めることで、製作上映主体の論理に即して本研究の主題にアプローチする。また本研究の分析枠組みの検討と精緻化を行う。次年度には、「同時代の人びとは一連の実写映画から天皇家やネーションに対するどのような申請を喚起されていたか」についての資料調査と考察を行い、本研究の中核的問いについて同時代人の意味世界に即しながら検討を行う。最終年度には、資料調査を継続しつつ、研究期間全体で得られた成果を綜合する知見を導出し、論文を執筆する。
|
研究成果の概要 |
20世紀の日本社会において、天皇家に関連する出来事をニュース映画として映像化・商品化する経済主体の動向は、人びとのナショナル・アイデンティティ編成にとってどのような契機を構成していたか。本研究では、この問いについて社会学的な視点から調査分析を行った。この作業を通じて、映画媒体による天皇体験の拡がりが、君主制ナショナリズム形成にとって反撥的に作用したことをあきらかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
社会学や歴史学の研究史では一般に、20世紀の映画会社や新聞社やテレビ局が公開した皇室関連のニュース映画・映像は、天皇家をシンボルとした国民的帰属意識の喚起と編成に大きくくみした媒体であったとかんがえられてきた。対して本研究では、20世紀の天皇実写映画の上映・鑑賞の微視的相貌について調査と検討を加えることによって、ニュース映画やテレビを媒介した複製的で間接的な皇室体験の定着が、むしろ天皇家の民族的シンボル性が社会的に捨象・閑却される事態へと帰結したことをあきらかにした。
|