研究課題/領域番号 |
19K02144
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
佐藤 郁哉 同志社大学, 商学部, 教授 (00187171)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 研究評価 / 数値指標 / 意図せざる結果 / 国際標準化 / KPIs / Higher Education / PDCA / 監査文化 / 業績評価 / 新自由主義 / 監査 / ランキング / 共約可能性 / 大学改革 / ビジネスセクター / 教育研究評価 / 新公共経営 / 外来モデル / 教育評価 / 通約可能性 |
研究開始時の研究の概要 |
教育研究評価における数値指標の普及の背景に加えてそれらの指標をめぐる誤解や誤用を取りあげ、インタビューと現地調査によるフィールドワークを中心にしてそれらが生じてくる社会的背景とその正負両面の影響について明らかにしていくことを目指す。特に重点を置くのは、大学のいわゆる「格付け」やランキングの根底にある基本的な発想とそれが制度として社会全体および大学の世界に根付いていく制度化のプロセスである。これによって、本来は同次元での比較が非常に困難であるはずの複数の対象を何らかの一律の基準で比較して数値化したり格付け・順位化したりすることを可能とする判断の前提となっている認識の深層に迫ることが期待できる。
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研究成果の概要 |
本研究では、教育研究評価における数値指標が世界的規模で普及していった背景に加えて、それらの指標をめぐる誤解や誤用を取りあげ、それらが生じてくる社会的背景とその正負両面の影響について明らかにしていくことを目指した。文献調査に加えて日本国内と海外(カナダ、台湾)でインタビュー調査をおこなった。その結果、日本においてもインパクト・ファクター等の指標だけでなく、大学独自のKPIが教員の採用や昇進にあたって採用されていく傾向が見てきた。また、それらの指標の普及は、大学の設置形態や研究分野によって大きく異なることも示唆された。今後は、それらの違いを念頭において比較事例分析を進めていくことを企図している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究活動の国際化や留学生の増加、さらに高度専門職業人をはじめとする人材の国際化の要請等を背景として、日本の大学は否応なしにグローバル競争の波にさらされている現下の状況を鑑みれば、数値指標を中心にした教育研究評価はほとんど不可避の事態であると言える。しかしながら、本研究は、その「国際標準化」ないし「グローバルジャーナル点数主義」の拡大はその半面で、論文刊行ゲームの席巻に加えて研究テーマおよび方法論の面での均質化と陳腐化を招来しかねないことを示唆している。本研究は、そのような意図せざる結果を念頭に置きながら学術研究の海外発信について慎重に検討していく上での基礎的な枠組と知見を提供すると思われる。
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