研究課題/領域番号 |
19K02218
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 北星学園大学 |
研究代表者 |
中村 和彦 北星学園大学, 社会福祉学部, 教授 (20330673)
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研究分担者 |
秋山 薊二 関東学院大学, 社会学部, 名誉教授 (50133575)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | resilience / レジリエンス / リジリエンス / コミュニティ・レジリエンス / adversity / 災害ソーシャルワーク / メンタルヘルス・ソーシャルワーク / ユース・ソーシャルワーク / コミュニティ・リジリエンス / ソーシャルワーク実践 / コミュニティ資源 / ソーシャルワーク / アドバーシティ / 発達システムズ理論 |
研究開始時の研究の概要 |
人が深刻な逆境や脅威に見舞われた際、その衝撃を被るものの、ポジティブな適応が生まれることがあります。そのことを端的にリジリエンス(復元力)とよびます。本研究は、「人のリジリエンスには、心理的要因以上に、コミュニティの資源が作用しているのではないか」という学術的問いを基に、人がリジリエンスを達成できるために必要なコミュニティの資源・環境について、日本および北米の複数のコミュニティにおいて聴き取り調査による実証研究を実施することにより、生活支援に必要な資源とその供給方法を探究することにある。
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研究実績の概要 |
本研究の一大目的は、人がリジリエンスを発揮するために必要となるコミュニティの資源・環境について、日本(北海道や広島県広島市など)及び北米(カナダ及び米国)の複数のコミュニティにおける聴き取り調査を実施し、実証的に人びとの生活支援に必要な資源とその供給方法を探究することにあった。 上記の目的を達成するため、①人のリジリエンス促進に影響を与えるコミュニティ・リジリエンスの理論枠組みを精緻化し、②7つのリジリエンス資源を基盤にした促進要因把握のための調査項目を設定、③地震等の災害時のadversity状況を経験し、そこからの再生を経験している北海道内の自治体(釧路市や浦河町など)での調査を柱としてていた。しかしながらこの数年のコロナ禍の影響を直接的に受け、実態把握を主眼に置いた調査の中止、延期を余儀なくされ続けた。 その上で、コミュニティ・リジリエンス関連する文献調査を精力的に実施し、コミュニティ・リジリエンス概念と日本の地域福祉との関連についての研究成果、また「困り感」を抱えた若者のリジリエンス発揮とコミュニティ資源の関係に焦点化した若者と支援者を対象としたインタビュー調査、リジリエンスを測定する尺度(日本で初めて使用した尺度)を用いた量的調査を実施し、研究成果を公表してきた。その上で、本研究成果の集成として、リジリエンスの理論と実践を包括的にとらえた著作物の出版に向けた取組みを精力的に進めてきている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画は、人のリジリエンスの促進・発揮にはコミュニティ資源(環境)、コミュニティ・リジリエンスが不可欠であるという仮説に基づき進めてきたが、コロナ禍の状況下において、変更・修正を余儀なくされた。その後、リジリエンスの理論研究、「困り感」を抱えた若者のリジリエンス把握と支援の研究、また、メンタルヘルス領域、災害ソーシャルワークの領域での研究は進めることができており、本研究の成果として、まとめの作業に入ることができており、(2)おおむね順調に進展しているとした。
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今後の研究の推進方策 |
この間、コミュニティ・リジリエンスに着目し、文献の収集、レビューを継続し、理論的整備、「災害」「メンタルヘルス」「若者」の領域でのリジリエンス把握と支援のあり方について、研究成果を公表しながら進めてきた。 現在、これまでのリジリエンスの理論と実践にかかる成果の集成としての出版物を準備しており、研究期間の1年間の延長を願い出て、2023年度内の学術書出版の形で結実させたいと考えている。
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