研究課題/領域番号 |
19K02302
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
井上 博文 東京農業大学, 応用生物科学部, 准教授 (10639305)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 鉄欠乏 / ビタミンD3 / メチル化 / メチル基転移酵素 / 肝臓 / 骨代謝 / PRMT / タンパク質のメチル化 / PRMTs |
研究開始時の研究の概要 |
各年代における食生活の変化に伴うミネラル摂取過不足に関する研究については、疫学調査を含めて世界中で盛んに行われ、摂取基準も設けられている。しかしながら、近年になり、鉄、銅や亜鉛トランスポーターをはじめ、ミネラルの吸収/排出を制御するトランスポーターの遺伝子欠損および変異によりミネラル代謝異常の重篤な症状が引き起こされることが明らかになってきた。このように疫学調査から基礎研究、そして応用研究へとミネラル研究は新たな時代を迎えていることからも、ミネラル研究とビタミン研究をつなぐシグナル分子を探索すべく、鉄欠乏状態モデルとして骨代謝とタンパク質翻訳語修飾の観点から明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、鉄欠乏状態における骨脆弱化のメカニズムとしてビタミンB12をはじめとしたビタミン類が補酵素とするメチオニン代謝異常が組織ならびに骨中メチル化レベルに影響を及ぼすのかについて検討を行った。その結果、通常食投与したマウスに比し、鉄欠乏食投与したマウスの肝臓において、メチル基転移酵素PRMT1ならびにPRMT3の発現低下および総メチル化タンパク質量が低下することを明らかにした。一方、骨中メチル化については2群間に有意な差を認めなかった。以上より、鉄欠乏状態における骨粗鬆症誘発メカニズムとして、骨中メチル化ではなく、各組織中ビタミン類の代謝変動が主である可能性を示唆した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は、鉄摂取不足に伴う骨脆弱化のみではなく、鉄欠乏状態とエピジェネティクスな変化の根底にビタミン類の代謝変動があったことを明らかにすることができた。すなわち、本研究成果は鉄欠乏性貧血という単一症状または組織のみに捉われない生体全体でミネラルとビタミンがクロストークしていることを見出せたものである。本成果は食生活の改善において栄養素の重要性を改めて還元できるものと考える。
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