研究課題/領域番号 |
19K02322
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
|
研究機関 | 東京家政大学 |
研究代表者 |
葛原 亜起夫 東京家政大学, 家政学部, 教授 (00813916)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
|
キーワード | 繊維状タンパク質 / ジスルフィド結合 / 高機能性絹繊維 / タンパク質化学修飾法 / フィブリル化の防止 / しわ回復性 / 精錬絹布帛 / 形態安定性 / スルフィド基の導入 / 還元工程 / 電子プローブマイクロアナライザー / 絹生機 / -SH 基導入 / イオンクロマトグラフィー / ラマン分光法 / タンパク質繊維 / 分光法 / 繊維加工 / 機能加工 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究において、繊維状タンパク質にジスルフィド(-SS-)結合を直接導入した新しい環境調和型天然繊維素材を創生する。申請者は、ウールのしわ形成抑制において、-SS-結合が重要な役割を果たしていることを証明した。これを基に、タンパク質化学修飾法を用いてケラチン繊維中に新たに-SS-結合を導入することで、ウール本来の性質を損ねずにしわ回復性及び形態安定性が向上できることを発見した。本計画では、これらの基盤技術に基づき、-SS-結合を絹繊維内(フィブリル分子間)に積極的に導入することにより、しわ回復性・形態安定性を付与、及びフィブリル化を防止した新しい高機能性絹繊維の開発を目指す。
|
研究成果の概要 |
ウールのしわ形成メカニズムとタンパク質化学修飾の知見を基盤とし、ウール繊維の優れた特性であるジスルフィド(-SS-)結合を絹繊維内(フィブリル分子間)に直接導入することにより、しわ回復性・形態安定性の付与、及びフィブリル化の防止した新しい高機能性絹繊維の加工・特性評価技術の確立を行った。具体的には、変わり無地精錬絹布帛において、絹本来の物理的性質(風合い、重量)を変化させることなく、開角度差20 °以上のしわ回復性を付与した高機能性絹繊維の開発に成功した。さらに-SH基導入後に還元工程を導入することで、形態安定性の付与だけではなく、フィブリル化を防止した高機能性絹繊維の開発に成功した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で開発された高機能性絹繊維は、絹本来の物理的性質(風合い、重量)を損ねることなく、優れたしわ回復性・形態安定性、及びフィブリル化の抑制を示した環境調和型天然繊維であり、その学術的意義は極めて高い。この高機能性絹繊維の加工技術を用いれば、高度な立体加工が可能となり、テキスタイル分野だけではなく、インテリア・産業資材分野、及び-SS-架橋反応を導入した高強度スパイダーシルクの開発に応用が可能であり、循環型社会の加速に資することができる。
|