研究課題/領域番号 |
19K02336
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 高崎健康福祉大学 |
研究代表者 |
今井 純 高崎健康福祉大学, 薬学部, 准教授 (30342918)
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研究分担者 |
坂井 隆浩 高崎健康福祉大学, 薬学部, 助教 (10418618)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 樹状細胞 / 有用細菌 / 発酵食品 / 免疫バランス / アレルギー / 自然免疫 / 腸内細菌叢 / Thバランス / 抗アレルギー効果 / 有用菌 / ユビキチン / スクリーニング / Th状態 / アレルギー性疾患 / 酒粕 / Th分化 |
研究開始時の研究の概要 |
酒粕に含まれる特定の乳酸菌は抗アレルギー効果を持つ。しかし、そのような菌を含まない酒粕も抗アレルギー効果を示すことから、酒粕には新たな抗アレルギー効果を持つ有用菌が含まれる可能性が高い。しかし、多様な菌を含む酒粕から有用菌を同定するには、純粋培養した菌の抗アレルギー効果を検証する必要があり、極めて困難である。申請者は樹状細胞の免疫制御能力に注目し、酒粕を加えた樹状細胞から抗アレルギー反応を誘導する樹状細胞を分離、分離した細胞に含まれる菌を同定する方法を確立した。同手法は、多様な菌類を広範囲かつ簡便に同定することが可能であり、新たな有効菌種を見出すことができると考えている。
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研究成果の概要 |
本研究では、アザミグリーン・ユビキチンとクサビラオレンジ・ユビキチンの2種類の蛍光ユビキチンを安定に発現する樹状細胞由来の培養細胞株を作成し、この株を用いて、酒粕などの各種発酵食品から抗アレルギー効果を持つ有用菌種を同定する手法を探索した。その結果、酒粕、ヨーグルトなどの各種の発酵食品から、効率的にTh1誘導能力を持つ有用菌(主に乳酸菌)を単離する手法を確立した。同定された有用菌は各種の樹状細胞の自然免疫のセンサー分子によって識別され、樹状細胞をTh1に分化、誘導することで抗アレルギー効果を発揮した。これらの有用菌は自己免疫疾患モデルマウスに対して、症状を緩和する効果を発揮した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
疫学的に抗アレルギー効果を発揮する発酵食品の種類とそこに含まれる菌の種類は膨大であるが、免疫系に対する効果が確認され、分子メカニズムまでが明らかになっているものは非常に少ない。また、有用菌を直接的、網羅的に解析することは極めて難しい。これに対して、本研究では、多様な菌を含む酒粕などの発酵食品から抗アレルギー効果を示す菌を分離、同定する手法を確立した。食品に含まれる菌種は、食品由来であるために安全性は確保されている。抗アレルギー効果を示す菌を継続的に摂取するSymbiosis療法は低い副作用で長期間継続することが可能であり、薬物治療を補完する治療法として確立することができると考えている。
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