研究課題/領域番号 |
19K02362
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 大妻女子大学 (2021-2022) 東京女子大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
中川 まり 大妻女子大学, 家政学部, 准教授 (00649634)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 共働き夫婦 / 妻のキャリア形成 / 性別役割分業 / 夫の家事参加 / 勢力関係 / 家計の意思決定 / 家計分担 / 共働き家族 / 妻のキャリア要因 / 家計管理 / 資源論 / 共分散構造分析 / インターネット調査 / 父親の育児・家事参加 / 母親ゲートキーピング / 母親の就業 / 相対的資源差 / 夫婦関係 / 子育て期後 / 夫の家庭役割 / 意思決定 / ワーク・ライフ・バランス / マターナル・ゲートキーピング仮説 / 子どもの社会性 |
研究開始時の研究の概要 |
研究の概要として、第1に、末子中学生以上の子育て期後の共働き家族において、妻の就業およびキャリア形成は、夫の家庭役割の分担、家族要因、妻自身の意識によってどのように影響を受けるのか、妻の職場の要因、サポート環境も含めて、妻の子育て・家事のゲートキーピング概念を用いて明らかにする。第2に、妻の就業による収入や勤続年数、役職などキャリア要因を含む勢力が、夫婦間の勢力関係や家計管理にいかなる影響を及ぼすのかを明らかにする。第3は、子育て期後の夫の子育て・家事参加および妻の就業が、中学生以上の子どもの職業観や社会化にどのような影響を及ぼすのかについて明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究は末子中学生以上の共働き妻を対象に、妻のキャリア形成と夫の家事参加、夫婦間勢力関係との関連について二次データ分析とインターネット調査によって行った。勢力とは家庭内の意思決定などを指す。主な成果は以下の通りである。(1)妻の相対的資源を多くする要因として妻の正規雇用、通算した勤続年数の長さ、非伝統的な性別役割分業意識、夫の収入の低さが示された。(2)妻は雇用形態にかかわらず、就業によって収入を得ても、家計分担を低く抑え、稼得役割は夫であるという性別役割規範を維持する。(3)妻の資源である収入と年齢および性別役割分業意識と家計の意思決定との関連性について示唆した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義は、家族社会学・家族関係学領域で、子育て期後の共働き夫婦における性別役割分業と勢力関係について、量的研究による知見の蓄積をした点である。新たな知見として、末子中学生以上の共働き妻の就業により得られた勢力は相対的資源を多くするが、家計分担は勢力を得ても性別役割規範意識によって抑えられること、家計の意思決定との関連性を明らかにした。 社会的意義は、共働き時代における夫のワーク・ライフ・バランス、家庭役割のジェンダー平等が期待される中、共働き夫婦の勢力関係に新たな知見を与えた点である。具体的には妻の就業継続が夫婦の勢力関係に肯定的な側面をもたらすことを示唆した。
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