研究課題/領域番号 |
19K02363
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
井上 広子 東洋大学, 食環境科学部, 教授 (60438190)
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研究分担者 |
桑野 稔子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (20213647)
鈴木 裕一 仙台青葉学院短期大学, 現代英語学科, 教授(移行) (50091707)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 学童期 / 食生活 / 生活習慣 / 社会環境因子 / 学童 / 食習慣 / 社会環境要因 / 児童 / 味覚感受性 / 子ども / 健康状態 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、加工食品等の急速な普及による多様な食品の喫食により、子どもの味覚感受性に影響を与える食環境にある。また、親世代の就労状態等により食卓の簡素化が進み、素材の味や味を正しく認知する機会が減少する傾向にある。子どもの頃の正しい味覚認知は、将来の生活習慣病に繋がる重要なファクターになることが考えられる。 そこで本研究では、学童期の子どもとその保護者を対象に、味覚感受性と健康状態、食習慣・生活習慣等との関連を多角的側面から調査する。その上で、子どもの味覚感受性の実態把握をし、子どもの味覚感受性を決定づける因子を環境・社会的背景等から探索し、その相互関連も解明することを目的として研究を遂行する。
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研究実績の概要 |
昨年度と同様、研究調査先の学校長、栄養教諭、ご協力いただいた教育委員会の先生方との協議し、新型コロナウィルス (COVID-19) の影響を鑑み、対象児童と保護者、調査者の安全性を確保する観点より、味覚感受性の試験の実施は控えることになった。しかし、3校の児童とその保護者を対象に質問紙による調査(食と健康に関する質問紙,食物摂取状況調査: BDHQ, BDHQ15y)を実施させていただくことができた。 本年度は、これまで得られたデータと併せて、児童の食物摂取状況調査結果を基に、味覚に影響を与える栄養素因子として亜鉛摂取量に焦点を充て、食物摂取状況調査や食事形態、食習慣・生活習慣との関連性について検討を行った。また、朝食の食事バランスにも焦点を充て、多角的に解析を行った。 その結果、児童の亜鉛摂取量は食品群別摂取量や栄養素摂取量と深く関連があり、亜鉛摂取量とバランスのとれた食事摂取との間に関連があることが明らかとなった。また、亜鉛摂取量は児童の食習慣・生活習慣・精神的健康度や保護者の収入・学歴とも関連があり、保護者の児童に対する躾や食意識を反映する指標となる可能性が示唆された。さらに朝食の食事バランスについて解析を行ったところ、朝食の食事バランスが良好な児童の特徴には、共食頻度が高い、保護者の学歴が高い、食事中のゲームや携帯電話の使用時間が少ない、一日の食事バランスや栄養素のバランスが良いことなどが明らかとなった。 これらの結果より、亜鉛摂取量は児童の正しい食・生活習慣の形成・維持を反映するパラメータとなる可能性があることが示唆された。また、朝食の食事バランスが良好な児童は夕食や一日の食事摂取バランスも良好であったことから、バランスの良い朝食摂取は、亜鉛摂取量とともに児童の食習慣・生活習慣のバロメータであり、児童に対する朝食バランスの重要性のエビデンスに繋がる成果といえる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19の影響により、対象児童と保護者、調査者の安全性を確保する観点より、味覚感受性の試験の実施は出来なかったが、質問紙による調査(食習慣・生活習慣に関するアンケート,食物摂取状況調査)を3校の児童とその保護者を新規対象に実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
現段階では、今後、研究成果のまとめとして、得られたデータのさらなる解析や論文作成、学会発表等を行うことを予定している。また、研究対象先の小学校と協議をして、今年度も調査が可能であれば新規にデータを収集することも検討している。
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