研究課題/領域番号 |
19K02805
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
牧野 智彦 宇都宮大学, 共同教育学部, 准教授 (10450157)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 証明学習 / 未完成な証明 / 命題の認識値 / 命題のステータス / ディスコースの拡張 / 中学校数学 / ディスコースの拡張モード |
研究開始時の研究の概要 |
我が国の多くの中学生は証明の学習に困難を抱えている。今なお,学習状況の改善の兆しは見えない。そこで,本研究は,完成に至らなかった解答である「未完成な証明」に焦点を当てる。教育現場では,「未完成な証明」の存在は認められているも,改善のための手立てがないため,個々の教師による経験的,直観的な判断に基づいて,試行錯誤的に実践が行われている。 そこで,本研究は「未完成な証明」の生成過程の解明に取り組んでいる。とりわけ,「未完成な証明」の生成に影響を与える中学生の認識の特徴を探っている。
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研究成果の概要 |
未完成な証明の生成過程では,収集された情報を使って論を立てる際にも,論の全体像を把握できる程度の情報量があれば筋道が分かるので,細部を詳細に示さなくてもよいと考えることで,推論の飛躍が生まれる.また,逆転推論を含む証明の生成について2つのパターンが見出されるとともに,それぞれの生成に影響を与えている命題の認識値とステータスの理解についてそれぞれ様相が明らかになった.最後に,生徒が完成した証明を作るには,推論ステップの飛躍の度合いの認識と証明に使われる命題の繋げ方の認識が鍵である.しかも,生徒の考えは徐々に修正・改善されることから,未完成な証明を改善・修正する方策が明らかになりつつある.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で「未完成な証明」の生成過程での「ディスコースの拡張」の転換の「きっかけ」,「ディスコースの拡張」の転換に影響する中学生の認識が解明されることで,「未完成な証明」の生成過程の理解が進み,数学教育研究上大きな価値がある.これらの知見によって, 生徒が「未完成な証明」を改善・修正する手立ての開発に貢献できる.その結果,未完成な証明の生成に留まっていた生徒が,自力で証明を完成させることができるようになる.
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