研究課題/領域番号 |
19K02951
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
大伴 潔 東京学芸大学, 特別支援教育・教育臨床サポートセンター, 教授 (30213789)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 語彙 / 自閉スペクトラム症 / 言語発達 / 特別支援教育 / アセスメント / 知的障害 / 言語指導 / 認知発達 |
研究開始時の研究の概要 |
第一に、特別支援教育対象児における重要語彙の体系化を行う。ここでは、日常生活や教科指導等における中核的語彙の抽出と品詞別・教科別の出現頻度の集計を通して、重要語としての候補語彙を選定する。 第二に、児童生徒の語彙の習得状況および日常生活での使用の実態調査を行い、語彙の獲得状況について明らかにする。実態調査の結果から語彙の種類や語彙ごとの獲得児数の検討に基づく類型化を行うとともに、一部の児童を対象として認知特性や漢字熟語を形成する漢字知識と獲得語彙の豊富さとの関連の検討を行う。 第三に、語彙指導方法のレビューと体系化を行い、語彙指導に関する具体的な教育実践への提言を行う。
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研究成果の概要 |
知的障害のある学齢児75名を対象とし、動詞・形容詞を中心とする表出語彙の質問紙調査から以下の3点を検討した:1)語連鎖段階と表出語彙数との関連、2)自閉スペクトラム症(ASD)の診断の有無による表出語彙の違い、3)知的障害児の中核的語彙。特別支援学校の小学部に在籍する児童75名を対象とした。検討の結果、語連鎖の長さに伴い語彙数は有意に増加し、2語以上の連鎖を産出するASD児は非ASD児に比べて自発的に表出する形容詞の数が有意に少ないことが示された。調査対象の164語のうち32語は半数以上の児童が自発し、模倣による産出や学習場面のみでの表出も含めると110語がこのような中核的語彙に該当した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
語彙の知識は会話による意思疎通のみならず、学校教育での学習や思考の基盤を成す。語彙の中でも、言語発達の初期に獲得される動詞や形容詞は文の述部となり、語連鎖の形成における重要な語彙カテゴリーである。本研究では13の語の意味カテゴリーを設定した(一般・粗大運動、生活習慣、学校生活、感覚、移動・空間的操作、評価、物の所有、物の操作・動き・状態、感情、他者との関係、対比、心的活動、疑問)。本研究から、語連鎖の長さと語彙数は関連し、自閉スペクトラム症の有無は形容詞の習得に影響することが示された。言語発達の指導にあたっては、児の言語発達水準と意味的特徴に配慮した指導語彙の選択が重要であると考えられる。
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