研究課題/領域番号 |
19K03017
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
杉尾 武志 同志社大学, 文化情報学部, 教授 (60335205)
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研究分担者 |
小川 健二 北海道大学, 文学研究院, 准教授 (50586021)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 図的表現 / 個人差 / 評価方法 / 大域的読解 / 視覚属性 / 認知 / STEM / 空間認識 / 領域間結合 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、図的表現を用いた思考課題のトレーニングにより空間認識能力に向上がみられるかについて実験的に検証し、脳の静止状態における領域間結合の変化により空間認識能力の向上を客観的に評価することを目的とする。まずは図的表現が有する階層的構造に対してどの水準に対して視覚的注意を向けるかにより自発的な視覚的思考の方略に違いがみられるかについて、視覚認知研究における実験パラダイムをもとに検討を行う。実験結果をふまえ、思考トレーニング方法の開発および脳活動の静止状態機能結合の変化によるトレーニング効果の評価をおこなう。最終的には、さまざまな図的表現を用いた思考トレーニングプログラムの開発を進める。
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研究成果の概要 |
本研究では、どのような視覚属性が大域的読解と関連するのか、大域的読解が行われていることを眼球運動といった客観的な指標から判断することができるのか、そして図的表現に対する意味的処理の神経基盤を明らかにすることを行った。その結果、図的表現を構成する複数の視覚属性同士が共通した感情を喚起させる場合に、大域的読解が増加することが明らかにされた。次に、視覚刺激に対する注意を向ける範囲の違いを眼球運動パターンから求められる指標によって定量化できることが示された。最後に、図的表現に対する意味的処理が左下頭頂小葉において行われていることがfMRIを用いた実験により明らかにされた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的および社会的意義は以下の通りである。まず、図的表現に対する読解の個人差を客観的に評価するための指標(眼球運動パターンから求められる大域性を示す値および左下頭頂小葉の活動)を明らかにした。客観的な評価手法が確立することにより、個々の学習者に対してどのようなトレーニングが必要となるかを判断できる。次に、図的表現を構成する視覚属性間の適合性を考慮することで、大域的読解が促進されることが示された。このことは、個々の空間能力に関わらず図的表現によって重要な情報を提供するうえで、全体的に適合したデザインを用いることが重要であることを意味している。
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