研究課題/領域番号 |
19K03140
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09080:科学教育関連
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
山田 吉英 福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(教員養成), 准教授 (30588570)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | p-prims / 現象論的プリミティブ / 断片知識論 / コーディネーションクラス / 素朴概念 / 誤概念 / 概念形成 / 概念変容 / 仮説実験授業 / 反比例 / 概念テスト / コーディネーション・クラス / 因果関係 / 実践記録 / 板倉聖宣 / 玉田泰太郎 / FCI / 科教協(科学教育研究協議会) |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の核心をなす問いは次のようなものである。誤概念研究や構成主義的な学習カリキュラムの開発・実践・評価に対して、断片知識論は科学的理論としての有用性をいかに発揮するか? あるいは発揮するためにはどのような理論の精緻化や拡張が必要か? また、この問いを受けて、本研究の目的を次のように設定する。断片知識論を明示的に用いて先行誤概念研究data(実践記録)の再解釈を行い、それを元に構成主義的な学習カリキュラムを開発・実践・評価し、理論の精緻化や拡張の方向性を明らかにすること。
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研究成果の概要 |
A. diSessaの断片知識論(特にp-prims)について理論的妥当性を検討した。diSessaが作成したp-primsリストを彼と独立なデータ(板倉聖宣が提唱した仮説実験授業、玉田泰太郎方式の授業、滝川洋二氏の実践研究、大学における先進的なアクティブラーニング実践の記録)を用いて検討した。断片知識論の基本的な命題は素朴な子供達において(また大学レベルにおいても)よく適合することが確認された。しかし、中心的p-primとされるオームのp-primに関しては、その「抵抗」スロットが必ずしも反比例でなく(負係数の)比例で、その要素性についてはdiSessaの見立てとは異なることが見出された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
米国流の物理教育研究の潮流が我が国にも流れ込み、関連学会で活発な議論が行われ、物理教育の発展にとって好ましい状況となっている。教育研究は実践や行政との結合が強く、潜在的に大きな影響力が期待される。社会の中で作動する教育は受験指導・テスト勉強に焦点化しがちであるが、物理教育研究は概念形成や意味理解、学習姿勢などにより大きな関心を寄せている。 ただし、そこで現在主流の研究手法は、工学的、疫学的なアプローチであり、学習や教育の複雑さや多様性、当事者性は捨象されがちである。本研究は、これらの補完的役割を担うものであり、そのための理論的基礎研究である。本研究は、その基本的描像の解明と普及、分析に寄与した。
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