研究課題
基盤研究(C)
これまで成人を対象にした研究において社会的価値志向性尺度でpro-socialに分類された人は素早い直感的な向社会的行動を行い、pro-selfに分類された人は時間をかけた熟慮的な向社会的行動を行うことが示された。しかし、何故このような向社会性の個人差が存在するのかについては明らかにされていない。本研究の目的は、社会的価値志向性、および向社会的行動の個人差がどのように創出されるかという問題に対して、思春期世代を対象にした横断・縦断研究を行うことによりそのメカニズムを明らかにすることである。
本研究の結果、向社会性は思春期世代から20代にかけて減少し、その後、加齢とともに徐々に増加する傾向を示すことが明らかになった。また、思春期世代においてはpro-selfは時間をかけた向社会行動を行うが、pro-socialにおいては向社会行動と反応時間の関連は見られなかった。さらに、友人関係が良好な人ほどpro-socialに分類される傾向があることも明らかになった。これらの結果は、3年間の縦断データを用いた比較を行っても同様の結果が見られた。
本研究は思春期世代の子どもを対象に経済ゲームを用いて向社会行動を測定し、子どもの社会環境要因が向社会行動へどのような影響を与えているかを横断・縦断的に検討した。多くの研究の場合、子どもの向社会行動は質問紙による測定がなされており、本研究のような成人の研究で用いられている経済ゲームを子どもへ適用した試みは少なく、また社会環境要因との関わりに着目した研究は少ない。それらの点において本研究は貴重なデータを提供したと考えられる。
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すべて 雑誌論文 (12件) (うち国際共著 5件、 査読あり 11件、 オープンアクセス 9件) 学会発表 (24件) (うち国際学会 2件、 招待講演 4件)
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