研究課題/領域番号 |
19K03216
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10010:社会心理学関連
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研究機関 | 愛知淑徳大学 |
研究代表者 |
小川 一美 愛知淑徳大学, 心理学部, 教授 (70345875)
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研究分担者 |
木村 昌紀 神戸女学院大学, 人間科学部, 准教授 (30467500)
藤原 健 大阪経済大学, 人間科学部, 講師 (00707010)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 解読 / 課題遂行型テスト / 表情 / FACS / モーフィング / 日本人 / 対人コミュニケーション |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,他者の感情,意図,状況などを読み取る「解読力」を測定するための,日本人用の課題遂行型テストを作成する。課題遂行型テストとは,実際に刺激を呈示され,その刺激人物の感情状態や意図等を判断する形式のテストである。解読力を測定する課題遂行型テストは国外には存在するが,刺激人物が欧米人であるため日本人の解読力を測定するテストとして最適であるとは言えない。そこで,日本人を刺激人物とした日本人用のテストを作成する。
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研究実績の概要 |
本研究では、他者の感情、意図、状況などを読み取る「解読力」を測定するための、日本人用の課題遂行型テストを作成することを目的としている。課題遂行型テストとは、実際に刺激を呈示し、その刺激人物の感情状態や意図等を判断させる形式のテストである。 これまでに、日本人用解読テストに使用する顔刺激として、Fujimura & Umemura (2018) によるAIST顔表情データベース2017を採用することが決定していた。2021年度は次のことを実施した。AIST顔表情データベース2017は既に妥当な刺激であることが確認されているものであるが、本研究ではさらに、Noldus社のFaceReaderというソフトウエアを用いて2.5秒間の動画を75分割でコマ送りした状態の全静止画像について、各表情カテゴリーの出現の有無およびAction Unitの発動や強度を計測した。そして、AIST顔表情データベース2017の刺激のなかでもFaceReaderにより当該表情として妥当であることが示された刺激のみを採用することとした。さらに、採用された刺激について認定FACS(Facial Action Cording System)コーダーによるコーディングも実施し、当該表情として妥当である刺激を抽出した。次に、抽出された刺激を強度100とし、Neutral刺激を強度0とし、強度10%ごとにモーフィングによる刺激を作成した。 現在、上記の手続きにより完成した刺激画像について表情解読評定実験に向けた準備を行っている。そして、収集されたデータについて、正答率、項目反応理論で用いられる識別力や困難度に基づき日本人用解読テストとして妥当な刺激群を決定する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
計画時点では,2021年度末までに日本人用解読テストの信頼性や妥当性の検討まで行う予定であった。しかし、2019年度末頃からの新型コロナウイルス感染症拡大により、刺激作成の手続きを変更せざるを得なくなるなど研究に遅れが生じ、その遅れを取り戻すことはできなかった。したがって、補助事業期間延長承認申請を行い、2022年度まで研究を続行することとなった。
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今後の研究の推進方策 |
1.日本人用解読テストの完成 作成した刺激画像について表情解読評定実験を実施し、正答率、項目反応理論で用いられる識別力や困難度に基づき日本人用解読テストとして妥当な刺激群を決定する。 2.日本人用解読テストの信頼性と妥当性検討 作成したテストの信頼性および妥当性検討のため、類似ターゲットを測定しうる既存のテストや尺度との関連や、解読に影響を及ぼすことが明らかになっている他特性との関連を明らかにする実験や調査を行う。
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