研究課題/領域番号 |
19K03219
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10010:社会心理学関連
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛 |
研究代表者 |
長峯 正典 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 防衛医学研究センター 行動科学研究部門, 教授 (70725217)
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研究分担者 |
野口 宣人 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, その他, 講師 (20805105)
重村 淳 目白大学, 保健医療学部, 教授 (90286576)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 医療従事者 / 共感性 / 共感疲労 / バーンアウト / ストレスコーピング / 共感満足 / 二次的外傷性ストレス / 二次的トラウマ |
研究開始時の研究の概要 |
医療者に生じ得るネガティブな心理的反応を防ぐ姿勢として、「認知的に共感しながらも患者と一定の感情的距離を保つこと」が従来推奨されてきた。 しかし近年、医療者の感情的共感性がもたらすポジティブな効果が報告され、共感性を高める教育的介入が積極的に行われている。一方、我々の先行研究において、自己志向的な感情的共感特性がネガティブな心理的反応の脆弱因子として抽出された。このような脆弱傾向の強い医療者に対し、単に共感性を高めることを求めるアプローチだけでは片手落ちといえる。 本研究は、医療者の共感特性と心理的反応との関係を縦断的に調査し、脆弱因子を持つ医療者への対策を検討するための、臨床疫学研究である。
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研究成果の概要 |
防衛医大の医療従事者118名から縦断データを収集した。心理尺度を用い、心理的反応(バーンアウト/共感疲労/共感満足)、共感性(共感的関心/個人的苦痛/視点取得/想像性)、ストレス対処を評価した。ストレス対処の探索的因子分析では、3因子(積極的対処/援助希求/間接的対処)を同定した。 各心理的反応(バーンアウト/共感疲労/共感満足)を目的変数とした反復測定混合モデルにより、個人的苦痛および間接的コーピングがリスク要因として、共感的関心と積極的コーピングが保護的要因として抽出された。これらの知見は、医療従事者の心理的健康を高めるための教育的介入を考慮する上で、有用な情報になるものと考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
医療者は患者や家族が表出する種々の感情を受け止めることを求められる。その結果、医療者にはバーンアウト・共感疲労といったメンタルヘルス上の問題が生じ、休職や早期離職といった社会問題の一因にもなっている。医療は必要不可欠な社会的基盤であり、医療者の健康なくしてこれらは成り立たない。 本研究は、医療者に生じ得る心理的反応(バーンアウト/共感疲労/共感満足)および、医療者の共感特性やストレスコーピングを縦断的に調査し、心理的反応に関連する要因をいくつか特定した。これらの知見は、医療者の心理的健康を高めるための教育を検討する上で有用な情報であり、社会的意義は大きいものと考えられる。
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