研究課題/領域番号 |
19K03238
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
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研究機関 | 放送大学 |
研究代表者 |
向田 久美子 放送大学, 教養学部, 准教授 (70310448)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | スクリプト / 比較文化 / 物語スキーマ / 児童書 / 内容分析 / 文化比較 / 日中米 |
研究開始時の研究の概要 |
認知的枠組みとしてのスクリプトの獲得・発達プロセスには、周囲の人との直接的なやりとりに加え、子ども時代に聞く物語も影響していることが示唆されている。本研究では、日本を含む3カ国の児童書(絵本や童話)に描かれる物語を取り上げ、スクリプト(物語スキーマ)の普遍性と文化固有性について検討を行う。また、書物を媒介する大人として、親に着目し、親の読書(読み聞かせ)に対する信念や実践、物語スキーマについても調査を行う。これらのことにより、子どもを取り巻く発達環境のマイクロシステム(書物、親)、メゾシステム(書物を媒介する親)、マクロシステム(文化)の関係性を明らかにする。
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研究成果の概要 |
日本と米国の代表的な絵本・児童書に関して図書館の推薦リストを元に入手した。日米比較を行うため、コーディング・スキーマを開発し、169冊の米国書、182冊の日本書における登場人物、経験と出来事、エンディングを中心に分析を行った。 分析の結果、米国の絵本・児童書にはハッピーエンドが多いほか、個に焦点を当てた作品が多いこと、日本の絵本・児童書にもハッピーエンドが多いものの、死や別れといった悲しいエンディングも見受けられること、年長の子ども向けの絵本・児童書になると、アメリカでは差別との闘いや多様性、日本では戦争や自己犠牲といった、より深刻なテーマが現れてくることが明らかにされた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本と米国の児童書の内容分析を通して、物語スキーマの共通性と差異を見出すことができた。児童書は子どもを社会化・文化化する機能をもっていると考えられることから、これらの知見は日米の子どもの語り(スクリプト)の違いを理解する上で重要な知見になると思われる。
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