研究課題/領域番号 |
19K03279
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
福榮 太郎 横浜国立大学, ダイバーシティ戦略推進本部, 准教授 (10638034)
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研究分担者 |
高本 真寛 横浜国立大学, 教育学部, 准教授 (90743790)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 軽度認知機能障害 / 認知機能検査 / ディスクレパンシー / COGNISTAT / MMSE / HDS-R / 認知症 / 予後予測 |
研究開始時の研究の概要 |
軽度認知障害(MCI)は,認知症と健常の境界概念である。現在,我が国ではMCIと判定される高齢者が460万人いると推測される。MCIの予後予測は,脳画像診断や脳脊髄液によるバイオマーカーの研究は進められているものの,これらは被検者への負担や侵襲性が高い。このことから本研究では簡便に施行できる認知機能検査に注目し,検討を行う。検査単体での予後予測は困難であるが,本研究は6つの認知機能検査を用い,認知機能検査間のディスクレパンシーとMCIの予後,認知機能検査内の下位項目のディスクレパンシーとMCIの予後の関連を検討し,MCIの予後の予測に関連ある認知機能検査の指標を探索することを目的とする。
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研究実績の概要 |
軽度認知障害(MCI)は,認知症と健常の境界概念である。現在,我が国ではMCIと判定される高齢者が460万人いると推測される。MCIの予後は,およそ半数が認知症に移行し,半数は,MCIの状態のまま推移するか,正常な状態まで回復する。MCIの予後予測は,脳画像診断や脳脊髄液によるバイオマーカーの研究は進められているものの,これらは被検者への負担や侵襲性が高い。このことから本研究では簡便に施行できる認知機能検査に注目し,検討を行う。またMCIから認知症の移行に関しては,認知機能の低下が生じるが,高齢者の認知機能の低下には,認知症以外にも老年期うつ,せん妄などにおいても生じる。そのため認知機能の低下を生じさせる背景要因が,認知症,うつ,せん妄のいずれに起因するのかといった鑑別も重要となる。 そこで2020年度に認知症の中でも特に多いアルツハイマー型認知症(AD)とうつ,せん妄の鑑別が,認知機能検査を用いてどの程度行うことが可能かを検討した。その結果,せん妄とADにおける明確な差異は認められなかったが,うつとADとの比較においては,うつの方がADよりも見当識,記憶などの認知機能が保たれており,一方ADの方がうつより,注意,理解,復唱,計算,判断などの認知機能が保たれていた。これらの結果より,認知機能検査の結果を精査することが,うつとADの鑑別の一助になることが示唆された。 この結果については,総合病院精神医学32巻3号に原著論文として掲載された。またこの論文が2021年度に当該学会で表彰され,2022年度にはKorean Psychosomatic Societyに招待発表として,発表を行った。
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