研究課題/領域番号 |
19K03283
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
|
研究機関 | 駒澤大学 (2021-2022) 兵庫教育大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
鈴木 菜実子 駒澤大学, 文学部, 准教授 (70614501)
|
研究期間 (年度) |
2019-03-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 精神分析 / 短期療法 / 不安障害 / パニック症/パニック障害 / 効果研究 / 臨床心理学 |
研究開始時の研究の概要 |
構造化された、短期間で集中的に不安を扱うことのできる心理療法であるPanic Focused psychodynamic psychotherapy(PFPP)を実施し、パニック症に対する介入研究を行い、この効果を量的に示すことが本研究の目的である。その際、本邦の不安の様態と意味づけには欧米と文化的な差異が存在する可能性があり、技法的修正の必要性を検討する。並行して、力動的心理療法のマニュアル化にあった困難を是正するためのポイントを探る。
|
研究成果の概要 |
アメリカで開発された、実証的なエビデンスの示されている新たな心理療法、パニック症/パニック障害に対する短期力動的心理療法(以下PFPPと略記)を日本に導入し、この治療法の本邦での実証的な効果を検討することを目的として予備的な研究を行った。パニック症を持つ成人を対象として、PFPPを実施した。3事例について、24回のすべてのセッションを実施することが出来た。その結果いずれの症例においても不安にかかわる症状の客観的な測定値は減少し、一定程度の実証的な効果が見込まれることが示された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
パニック症/パニック障害に対する新たな心理療法の日本への導入の布石となり、かつ少数例ではあるものの、実証的な効果が示された点には意義があると言える。現在まで、パニック症/パニック障害に対しての治療的アプローチの中心は認知行動療法や行動療法であり、これに加えて、洞察的な治療法が広まることは、治療を求めるユーザーには選択肢の拡大という社会的意義があると言える。不安や喪失に関する体験を自らの人生の中に位置づけるための方法として、力動的心理療法は多くの人に症状の消失にとどまらない利益をもたらすと考えられ、この意味で不安に焦点づけた短期力動的心理療法の導入には、新たな可能性が見いだせる。
|