研究課題/領域番号 |
19K03308
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
中川 彰子 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任教授 (70253424)
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研究分担者 |
清水 栄司 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (00292699)
加藤 奈子 千葉大学, 子どものこころの発達教育研究センター, 特任助教 (30837042)
中尾 智博 九州大学, 医学研究院, 教授 (50423554)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | OCD / CBT / online supervision / ERP / 強迫症 / 認知行動療法 / 遠隔スーパービジョン / 強迫症/強迫性障害 / スーパービジョン / 治療マニュアル / テレビ電話システム / 曝露反応妨害法 |
研究開始時の研究の概要 |
強迫症への有効性が実証されている心理療法として認知行動療法 (Cognitive Behavioral Therapy; CBT)があるが、本邦では強迫症に対するCBTを実施できる 治療者数が絶対的に不足している。本研究の目的は、強迫症状のために学校、職場、家庭で の適応が困難になっている患者のために、有効なCBTを実施できる治療者を増やすことであ る。そのために、遠隔通信システムを利用した強迫症のCBTに対する専門家による治療指導 (Supervision; SV)の効果を検証するとともに、それをもとに強迫症の治療マニュアルを作成 することとする。
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研究成果の概要 |
本研究はOCDへの有効なCBTを提供できる治療者を増やすことを目指して、専門家による遠隔SVの効果を検証することを目的とした。23名の対象者が個人SVを受けながらOCDに対するCBTを終了できた。OCDへのCBTに対する自信(1:全く自信がない~5:自信がとてもある)については、治療前後で平均2.6点から3.7点に増加しており、OCDのメインアウトカムであるY-BOCS重症度の総得点の平均は24.2点(重度)から12.9点(軽度)へと46.7%の改善がみられた。初心者でも遠隔SVを受けながら治療することにより強迫症状の著明な改善をもたらし、本治療への自信を高めることがうかがえた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、強迫症に対する有効な認知行動療法を提供できる治療者の数が絶対的に不足している我が国の実情に鑑み、専門家による遠隔スーパービジョンの有効性を検証する本邦初の研究となる。強迫症に対するCBTの専門家は少なく、地域的にも偏在している。そのため、発症から初診までに長期間を要し、症状の重症化、慢性化、患者と家族の生活障害を増悪している。本研究により専門的なSVを希望する治療者をオンラインでサポートすることで強迫症状の著明な改善と治療者の本治療への自信の高まりをもたらすことが明らかになったことは、本疾患への治療者数を増やすことにつながり、上記の問題点を解消すると考えられる、
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